天の梯子 後篇
天の梯子 後篇
学び、教えるための非戦闘職でも使いようだなぁと思う今日この頃。
チート級の【救星者】、“職業強化”があればどんな能力でも育てられます。
「さて、最後は【死霊士】系統の職業なんだが……【精霊士】系統と同じく、使いこなせない気がするんだよな」
精霊との適性が皆無だった俺の体。
休人のアバターは仮初のモノではあるが、属性の適性やら精霊のような存在との親和性については、ある程度法則性がある。
──現実の適性と、リンクするのだ。
もちろん、火属性の適性が高いからといって現実で何もない場所から火を生み出せるわけではない……が、何というか性格やら心理やらが関わってくるらしい。
《仮説の域を達しませんが、『プログレス』が集積する願望と同様に、休人のアバターもまた法則性を秘めています。万能の才、にも拘らず発生する休人間の適性の差異。それはアバターを操作するプレイヤーの違いです》
「オカルト的な話になってるよな……まあ今回は属性云々じゃなくて、死霊の適性の話になるんだけど。そっちも関係あるのか?」
《現実での強い死に関わる体験、あるいはそういった家系による出自など──》
「後天的にせよ先天的にせよ、俺には縁のない話だな。魔道具で霊体そのものは見ることができるし、レムリアの技術を使えば触ったり会話をしたりとかはできるけど……ってあれ、もしかしてこれで充分じゃないか?」
死霊術──死者と契約を交わし、使役するちょっと外道で外法な魔力の使い方。
だがそれは、精霊という生まれつき人よりもワンランク上の種族よりも扱いやすい。
なぜならそれは、元が人や魔物だから。
そして死者なので死人に口なし、つまり抗う力を持たない弱い個体なら強引に使うこともできる……だから外法扱いなんだけど。
「俺が解放できた【死霊士】の状態だと、呼び集めても全然来なかったんだよな」
《職業システムの恩恵により、通常の魔力に死霊用の負の性質を付与するのですが、適性の無い者がそれを行使する場合……大変変換効率が悪くなります》
「……まあ、方法次第でどうにかなるかもしれないしな。【死霊士】、正統進化の【高位死霊士】、派生で【霊媒士】なんてのも出てきてくれたし。検証は……ここだと無理だろうから、帰って試してみるか」
《畏まりました。では、さっそく準備をしておきましょう》
さすがに天界の残滓が残る場所──つまり神聖な力が残る場所で、死霊術という禍々しい力を試す気にはならない……ちょうどいい練習場所を、俺は持っているからな。