死霊適性 前篇
死霊適性 前篇
アイスプル 迷宮『死王の聖櫃墓』
天の梯子で行っていた、職業のチェックは終了した。
そして、最後に確認した【死霊士】系統の実地検証を行うことに。
「【死霊士】、あと【見習い死霊士】については事前に“職業強化”を済ませてあるからいいんだけど……うん、【精霊士】と違ってカスタマイズできるタイプで良かったよ」
適性皆無で全然死霊を使役できていない俺だが、【死霊士】の能力としてアンデッドを一から作るというものがあった。
素体となる材料を選び、形成した器に擬似的な魂魄を入れる。
そうすることで、初期は貧弱だが比較的言うことを聞くアンデッドを作れるのだ。
なお、その際に使用した材料次第で最初からレベルが高い個体を生み出すことも可能。
……ただしそういった個体は、大抵が反抗的なので俺には向いていないのだが。
「で、作ったアンデッドをレベリングさせたらついでにカンストまで持ち込めたし、強化も上手くいったからいいんだが……やってたことがほぼほぼ【人形師】と【傀儡師】だったんだよな」
物言わぬ体、という意味ではあながち間違いではなかった。
事実、それらを組み合わせるビルドそのものは存在しているとのこと。
ともあれ、そんなこんなで【死霊士】を育てるところまでは終わっている。
以降の条件が一切満たせず、そこで停止していたがな。
「さて、始めますか」
《畏まりました──“職業系統樹”を起動、職業を【高位死霊士】に設定……成功しました。制限が発生、職業スキル(死霊喚応)の一部能力が使用できません。使用には条件の達成が必要となります》
いつもより長い文言、どうやら解放はできたものの何やら問題が発生したらしい。
だがこの現象は住民たちに職業就職をしてもらった時から、何件か確認されている。
「適性外過ぎて、職業システムの補正が追い付かないって証拠だったか? 休人の場合は強引に万能の適性でやっている分、これがよく発生するらしいんだよ」
なお、より難易度の高い職業の方が発生されると思われそうだが、逆に固有職レベルになると起きなくなる……まあ、就けないとそもそも関係無いのだが。
つまり上級職こそが、休人が就職する際に問題を抱えやすい最大の職業群。
二次職業(カンスト二回分)が必要な職業は、運用の方も適性を求めてくるのだ。
「けどまあ、これについては休人連中がいろいろと検証してくれてあるんだよな──やってみてくれ」
《はい──『ゴーストボディ』、及び『デッドタナトス』を起動します。インストール、成功しました。職業スキル(死霊喚応)の未達成条件、一定値の死霊適性が達成されました。制限が解除されます》
「よし、情報通りだったな」
曰く、条件を未達成だった職業能力が、その後に移植した『プログレス』の力で使えるようになった──といった情報が、タクマのところに届いたことがあったらしい。
一般の休人でも、魔石で『プログレス』が補正してくれる適性を弄ることができるが、俺の場合はそれを『プログレス』の追加で大幅に向上可能だ。
そしてそれは成功する。
少なくとも、適性による条件未達成であれば『プログレス』を組み替えることで自在に対応できる……より詳細な検証が必要だな。