闘技大会開発技部門 その04
闘技大会開発技部門 その04
無事に予選は突破したものの、設けられた縛りに苦しめられそうな俺。
一度に使える術式は四つ、それ以上は死亡前提で使っていかなければならない。
「とりあえず、カスタマイズだな。術式を差し替えておこう」
三つの術式を登録できる『愚者の石』。
本来は仕様として、上書きしていく必要があるのだが、俺と『SEBAS』はそれを改良してカット&ペースト式とした。
宝石を仕舞うような小さな箱にセットし、俺はただ見ているだけ。
その魔道具を『SEBAS』が遠隔で操作して、中の術式に手を加えていく。
参考にしたのは魔動機盤。
アレもプログラムを入れ替えて発動する魔動を決めていた──『SEBAS』はその応用として、他の魔技版を編み出したのだ。
「とりあえず“貼地路在”は良しとしよう。けど、“忍織貼替”をどうしたものか……これ、ずっとこのままじゃないとダメか?」
《対象が個人であれば、“生存結界”に組み込む分で足りるでしょう。また、後に公開される映像に関しましては、偽名での参加者に限り運営側で認識できないよう処理していただけるとのことです》
「じゃあ、好意に甘えさせてもらおうか。ならそっちも変更して……“千変宝珠”、あとは“孤独蟲毒”にしておいてくれ」
《……よろしいのですか?》
前者はともかく、後者は死亡前提の術式。
ここで使うのは不思議と『SEBAS』は思ってくれているのだろう。
「先に使っておいて、どれくらい今回の制限時間内で使えるか試しておいた方がいいと思うんだ。少なくとも、ジーヂーや逸脱者連中に無策で挑んで勝てるとは思わないし」
《なるほど、承知いたしました》
「『SEBAS』の術式に関しては、敵を見てから判断しよう……というか、たった四つで勝てるのかね?」
《オリジナルの術式はそれだけ価値のあるモノですので、簡単には得られないかと。自らで開発するとしても、認証されるレベルのモノは難しいです》
ちなみにだが、今回の開発技という定義だが別に自分のものじゃなくてもいい。
コピー、つまり誰かが使っていた開発技を使うのも問題ないようだ。
ただしここで特許のようなものが発生し、開発者の方で制限が設けられる。
開発者当人に認められた者は使えるが、認められた者が認めてもその人は使えない。
いわゆる、孫コピーはダメというわけだ。
俺の場合、“千変宝珠”と“孤独蟲毒”の二つがこれに引っ掛かり、双方ともに他ならぬ『騎士王』が開発した術式である。
認証云々は『愚者の石』に登録された時点で済んでいるので、問題無いのだ。
だからこそ、それを使い試してみる……本戦参加者の実力を。