闘技大会開発技部門 その07
闘技大会開発技部門 その07
戦いは本格的に。
俺は“孤独蟲毒”で命を削り自己強化を図り、さす兄風の休人もまた両手に拳銃を握り締め接近してくる。
「──『矢・万色』」
「──解体術式」
魔力の性質を自在に変える“千変宝珠”。
矢の形に変えたそれに、数多の属性を付与して放つ。
対する彼は銃口から魔力を撃ち放ち、その奔流によって色とりどりの矢を吹き飛ばす。
同時に、『SEBAS』が宙に展開する術式も壊されていく……あと3。
「『杭・雷』」
「ふっ!」
お次は足元から杭を生み出し、進路の妨害と攻撃をセットで行う。
雷属性の付与効果によって、電気が空気を通っていくが、それでも避けられる……2。
「『斧・爆発』、擬似『 回転投斧 トマホーク 』」
「『三射散耀』」
今度は斧を形作り、そこに爆発の性質を。
武技の動きをなぞり、補正は付かずとも最適な軌道で斧をぶん投げる。
だがそれもまた、銃撃で防がれた。
魔動らしきソレは、三方向に飛ぶ光。
真っ直ぐに飛ぶ一本、そして途中で不自然に曲がる二本が斧とぶつかり──相殺。
爆発の性質が付いていた影響で、相殺された地点を中心に衝撃と煙が発生する。
俺たちはそこを通りながら、捕捉したお互いに向けて攻撃を行う……1。
「0──『拳・■』」
「『霧消』──ッ!?」
俺が放ったのは突き出した拳、彼が放ったのは一発の弾丸。
それらはぶつかり──相殺されることなく一方のみが相手に届く。
「……は?」
「鍛え上げられた拳は、岩をも穿つのです」
「……なんで、生きてる」
「あー、分解本当はできたんですか。凄いですね。ですが、勝ちは頂きましたよ…………もちろん、現状でお話はできませんけど」
さすがに本家レベルとまではいかなかったようで、彼の放った分解(仮)の魔動では、俺の肉体を崩壊させることはできなかった。
実は少しずつ実行はされているのだが、結界がそれを抑え込むだけで耐えられている。
まあ、部位的に問題があれば即死扱いになるのだろうが……普通なら。
俺の場合は死亡後の活動が前提となっているので、制限時間が過ぎるまでは消えない。
心臓や脳みそ、首なんかは即死対策で念入りに防いであるのでなお無事だ。
対する彼の方だが、俺の拳を受けて体に穴が開き一気に死亡判定。
……そりゃそうだ、“孤独蟲毒”による強化は対人だとチート級の強化倍率だし。
≪試合終了──勝者、ノイズ選手!≫
もちろん、対策はある。
勝手に死に続ける虚弱なヤツを、死なないように介護しながら舞台から落とせばいい。
……自分で言っていてアレだが、本当に悪辣なビルドだよな。