闘技大会開発技部門 その08
闘技大会開発技部門 その08
さす兄風の休人を倒し、一回戦を突破。
死んで強くなる“孤独蟲毒”、時間制限内での無限強化によって擬似レベルアップ、そのまま物理で殴って無事勝利である。
「それで……どうだった?」
《制限時間の方、確認が取れました。問題なく[称号]、職業による延命の持続ができているようです。ただし、『超越生者』による常時無敵化、また死に戻り時の座標書き換えなどはできませんでした》
「まあ、しょうがないか。そっちがあるといろいろズルができるもんな」
特について無敵化は、俺への対策というか俺以外への対策に引っ掛かったのだろう。
無敵化は形は違えど、多くの在り方で存在しているからな。
だからか無敵化は一度切りかつ一瞬のみ、かなり使いどころが絞られることに。
……トドメの一撃を無効化して勝利とか、そういうのを避けたいのだろう。
「使えるのは分かったな。今回は純粋な火力勝負でごり押しできたから良かったが……これ、対策されるよな」
《魔術や媒介式による術式には、条件付けで相手を超越するようなものもございます。相手より少しだけ強くなる、そういった効果ですと“孤独蟲毒”も意味を成さないかと》
「後出し強化はズルいだろ……まあでも、1だけ上になるぐらいなら問題ないのか」
数値が優劣を決めるシステムだが、結局使うのは人なわけで。
求められるのは技量、多少の差なら本人の腕次第でいくらでも覆せる。
……まあ、俺の腕なんて初心者に毛が生えた程度なので期待できないわけだけど。
代わりに『SEBAS』が居るからこそ、人並みぐらいには戦えているわけだ。
「次の試合はどうするか……“孤独蟲毒”は確定で変更にするけど、“生存結界”は必須だし。逆に“千変宝珠”なんかは、有っても無くてもって感じだよな」
自己強化に対する策を講じられることを想定して、そちらは使わないでおく。
条件付けの術式は、それを準備しておくだけで負担になるのだ。
魔力的な消耗はむしろ起動しない分いいのだが、設置にせよ待機にせよ消耗する。
それだけで、相手の手札を一枚減らせるうえでこちらは手札を一枚増やせるのだ。
《旦那様、『林檎』はいかがでしょう?》
「…………アレ、使うのか? 最悪死人が出ちゃうんだが? いやまあ、ルール的に試合終了後に蘇生はされるけど」
休人、原人入り混じっての試合なのだが、闘技場での試合後はいろいろリセットされる仕組みなのだ。
リキャストタイムが長いスキルなんかも、試合中なら問題無し。
……召喚獣がその仕様で対価を貰えなかったから揉めた、とタクマが前に言っていた。
「そうだなぁ、相手が休人だった場合にのみそれを使うって感じでどうだ? こっちはそれを『SEBAS』に使ってもらって、代わりに『02』を使うって感じで。見た目的にも演出できるかなって思うんだが……」
《! ……さすがは旦那様です。畏まりました、術式をすぐに書き換えます》
そんなこんなで、次の試合で使う術式も準備できた。
……可能なら、次の相手は休人じゃない方が救われるな。