LNCrawler

闘技大会開発技部門 その09

転生して進化したら最強になって無双します — novelba.com · All chapters

闘技大会開発技部門 その09

次の試合で使う術式に悩んだ結果、俺的にヤバいと思う『林檎』を使うことに。

いちおう、相手が休人だった場合に限定しているけど……どっちだろうか?

≪それでは、続いての対戦カード! 赤コーナー、予選とはまったく違う魔技を使い、トドメはまさかの物理攻撃! 今度はいったい何をする! 正体不明のノイズ!≫

毎度のことながら、いろいろと隠しているからかブーイング混じりの声が届く。

それでも演じる役柄を意識して、大歓声を浴びているかのように一礼して舞台上へ。

≪青コーナー、魔導世界が生んだ剣士! 二振りの剣が、敵を尽く切り伏せる! 今度こそ、魔技を少しは見せてくれ──キィト!≫

それは背中に白と黒の剣を背負った青年。

黒いコートに身を包むその姿は、まさに黒の剣士そのもの……うん、間違いないな。

《休人ですね。旦那様、『林檎』の実行を許可願います》

「……いいでしょう。貴方には、その選択が相応しい」

「ん? 何か言ったか?」

「そうですね、宣言を一つ。貴方は私を早急に討たねばなりません。時間を掛ければ、それだけで貴方は敗北する」

「……へぇ、面白いこと言うな」

挑発というかただの事実だが、キリ……ではなくキィトは口角を吊り上げる。

すでに術式の準備は始まっている、それを防ぐ術を持っていなければ……一瞬だ。

双剣を構え、姿勢を前傾に。

口遊むナニカは、おそらく術式を起動するための詠唱だろう。

≪それでは二回戦──開始です!≫

宣言と共にキィトが走り抜ける。

俺は何もしない、だが『SEBAS』は演算により相手の動きを正確に捉え──術式を行使する。

「“ニュートンの林檎”」

「ッ……あがっ!?」

「残念です……貴方には、私と闘う資格が無いようです」

「ッ……、……」

「発言はできないでしょうが、せっかくなのでお答えしましょう……ああ、どうせ以降は使いませんので。この術式、『林檎』と呼んでいるのですが……一言で言えば、重力で相手を貴方のように地面に落とします」

敵役が調子に乗って自分の力を語るアレ。

それをやってみたかったので試してみたのだが……うん、めちゃくちゃ面白いです。

言っていることも嘘は言っていないぞ。

ただし、言っていないことがあるだけ。

もともとは『愚かな賢者』の術式だったものを改良したのだが、えげつなくなった。

キィトが倒れたように、防げない相手はたとえどれだけ強くてもああなる。

耐性も再生も関係ない、人間に近い構造をしている生物ならばほぼ確実に。

「さて、審判さん。判定を」

≪……しょ、勝者ノイズ選手! 何ということだ、開始僅か数秒で試合終了です!≫

これはある種の牽制である。

圧倒的な身体能力の強化に加え、相手を即座に鎮圧させたうえに殺すだけの術式をも有することのヤバさ……理解できるだろう?