闘技大会開発技部門 その18
闘技大会開発技部門 その18
まだまだ改良の余地がある擬・武神流について、いろいろと考えてみた。
未だ真なる武神、そして戦神への道は遠いのである。
「武術もやったし、次はまた術式かな? というかもう両方やっているし、そのままな感じでいいか。問題は中身か──“生存結界”は据え置き、“孤独蟲毒”を使って能力値の強化でも図りますか」
たとえ相手がデバフで強制的に弱体化を図ろうとも、元より虚弱スペックなこの体。
マイナスの域に達しても、死んで自己強化が発動すればトントンだろう。
そんなわけで、偽名:ノイズとして利用している“生存結界”と“孤独蟲毒”は確定。
問題は残りの一つなんだが……毎度ここで悩んでいる。
「『林檎』は無し、あと一回使ったから極力“界樹統誕”もだな……試作04が完成していたら良かったんだが、模倣権能無しだと運用できないからなー」
《見た目のみであれば取り繕って行使することは可能ですが……当人と同等以上の性能を発揮させるということですと、未だ目途がついておりません》
「まあそもそも、それが誰にでもできることなら権能として成り立っていないわけだし。考えていたってしょうがない、何か他の便利な術式を考えよう」
こちらも『八大星魔』の魔技を再現するべく開発した術式なのだが、『魔王の取腕』が使えないこの部門だと運用できない。
だが相手は、ここまで己で編み出した力のみで勝ち上がってきた猛者たち。
はっきり言って、手札の数以外で俺が勝つ方法は、真っ当な手段には存在しない。
だからこそあの手この手を練って、押し切るようなやり方を探している。
……特に権能持ちを再現した術式は、かなり効果があるんだよな。
「『八大星魔』の再現はもう無理だし……仕方がない、『超越者』も対象に入れよう」
権能持ちの再現、それは決して純粋に術式のみで行えるようなものではない。
間接的に権能持ちが使った技、なんて遠回りなことをしていたのもそのため。
それでもいくつか、条件付けや劣化を妥協して再現できている権能もあるにはある。
……だがそれを開示すれば、確実に面倒事に繋がるんだよな。
《どの術式になさいますか?》
「そうだな……………………よし、ランダムにしよう」
困ったときは運頼み、それがいつものスタイルなのだから仕方がない。
信じられる様々な対象に祈りを籠め、その行いに意味があることを期待した。
《畏まりました──抽選結果、『白氷』の再現術式となりました》
「まあ、ハズレではないな。というか、全員内容自体は全部えげつないし、それじゃあ組み込んでおいてくれ」
《──術式、上書き完了です》
「『SEBAS』が使う方は、俺の動きに合わせて決めてくれ。ああでも、最初だけ要望があるんだが──」
そんなこんなで、『愚者の石』に灯篭くする三つの術式も決まる。
打ち合わせを念入りにしてから、続く第四試合──準決勝へと向かうのだった。