闘技大会開発技部門 その21
闘技大会開発技部門 その21
──“柳流・竹箆”。
受け流しの構えを取ると同時に、反撃をすることができる稀有な武技。
ジーヂーには『アーツクリエイター』があるため、そんな武技も意図した発現が可能。
対するこちらは雪像と共に、擬・武神流による連携攻撃を継続中。
雪像たちは尽く破壊されているが、俺は一歩距離を取ることで回避している。
雪像と俺とを見分けることなど、武人っぽさ全開なジーヂーなら容易いこと。
それでも追撃せず雪像の破壊にのみ注力しているのには、何か裏があるのだろう。
「……ふむ、これぐらいでいいじゃろう」
「くっ、蓄積系の何かを持っていましたか」
「無限りぽっぷ? とやらがあってのう、どうにかしてくれと門下生に言われたんじゃ。まあ、修行が足らんとは思ったが、お主への対策にもなるし考えてみた結果──“業積”が出来上がったんじゃよ」
ギョウセキ、響きだけ聞くと何というか現実を思い出して遠い目になってしまう。
まあ、話から察するにおそらくは倒した数に応じた何かしらの強化に違いない。
雪像たちの進撃を止めさせ、再び雪に還したところでソレは発生。
ジーヂーの体内から溢れ出す、膨大な量のエネルギー……“業積”のエフェクトか?
「それが“業積”ですか?」
「うむ。隠すこともできたが、見せた方が見栄えは良かろう? 儂の門下生になれば、誰でも使えるようになるぞ」
「宣伝をしないでくださいよ、ここで」
伝授も『プログレス』の仕様に組み込まれているので、嘘は言っていないよな。
ただし、伝授も経費が掛かる以上、入ったらすぐプレゼントとはならないだろう。
「さて、そろそろ始めるとするかのう。準備運動はそっちも充分じゃろう?」
「……いえいえ、まだまだやっていてもいいぐらいです」
「残念じゃが、年寄りは気が短くなってしまうものでのぅ。もう我慢できん、さっさと始めさせてもらうぞ」
「ッ!?」
相当な身体強化でも行われたのか、視界に捉えていたはずのジーヂーの姿が消え、そのまま俺に一撃──といったところで結界が自動運転、腕を上げて振るわれた拳を防ぐ。
「これは……ずいぶんなやり方で」
「まあ、この程度は防いでもらわんと。言っておくが、まだ何も強くしておらんぞ」
「…………ははっ、冗談が上手いですね」
無論、冗談では無いことを澄み切った眼を見ている俺が一番分かっている。
対応が遅れた、それだけでその異常性が理解できるからこその空元気だ。
ジーヂーが俊敏に動き、俺の隙を狙うような攻撃を畳みかけてくる。
すぐに『SEBAS』が対処するが、やはり少し遅れている……かなりヤバいな。