闘技大会開発技部門 その26
闘技大会開発技部門 その26
激闘(?)の末、文字通り舞台を引っ繰り返した俺。
どんでん返し(物理)という狡猾さ全開な策略により、ジーヂーは退場扱いとなった。
≪試合終了! これはなんだ、まさに夢のような光景! 舞台が地面から離れ、ジーヂー選手はピンピンしているのに退場判定! 勝者は──ノイズ選手!≫
せっかく少し前まで貰えていた歓声も、再び怒りの声に掻き消されてしまっている。
そりゃあやり方がやり方だし、これぐらいしないと勝てなかったから仕方がない。
「──まったく、してやられたわい」
「すみません、ですが貴方ほどの相手ともなると手段を選んではいられず」
「それ、誉められておるかのう? ……まあええ、改めてお主とやり合うことができてよかったわい。まだまだ未熟、武の道に果ては無いということじゃのう」
「そう言ってもらえると、幸いです」
ここで『父親がムカつくから息子に何も教えない』、とか言われても困るし。
きちんとした良識人で……イタタタタ、握手したら物凄い痛みが!
「……これは?」
「ふふん、効くじゃろう? 試合では使えんかったが、これも我流じゃよ。無論、ショウにも教えておくから、これからは息子の前だからと言って張り切り過ぎんことじゃな」
「…………お、お手柔らかに」
防御無視、強制痛覚かよ……まあでも、張り切って困ることも無いし、これまで通りで大丈夫なはず!
◆ □ ◆ □ ◆
準決勝を勝ち進め、いよいよ次が最後の試合となった。
相手が相手だったので、正直大半の札は開示してしまっている。
「それで、次の相手って誰なんだ?」
《──【魔導勇者】、魔導世界における最強の存在となります》
「…………ヤバくない?」
《はい、控えめに言ってマジヤバいかと》
もしかしたら、『SEBAS』も対策に処理能力を費やしているのかもしれない。
それだけ星の名を冠する【勇者】という存在は、理不尽極まりないのだ。
《これまでの試合で用いられた術式は、すべて異なる系統によるもの。魔法、魔術、魔装だけでなく、媒介や未だ解析を行っている未知の術式など……多くの力を同時に運用しております》
「魔導世界、なぜにそんなに本気なんだ?」
《すでに前回、『騎士王』によって『八大星魔』が敗北しております。同時に冒険世界の【冒険勇者】もまた。人々の意識において、『騎士王』こそが最強という認識となっていますが……それを変えたいのかと》
「星の【勇者】様は、そういうところがシビアなんだっけ? で、魔導世界はそれを何とかするべく強い連中をバンバン出しているわけだな」
《彼の世界の場合、防衛には世界樹による結界が使用できます。おそらく、旦那様の贈り物に星が気づき、それを用いることで大幅な性能強化を図ったのでしょう》
……『界樹の神子』、すまん。
どうやら魔導世界が、いろんな意味で本気になってしまっていたようだ、