闘技大会開発技部門 その37
闘技大会開発技部門 その37
時に干渉するオリジナルの術式、それを魔導によって宿した状態【魔導勇者】。
時を駆ける彼(女)の一撃(?)により、俺の体はバラバラに刻まれた。
「──まあ、死にませんがね」
「! その状態でも生きられるのかい!?」
「『生者』と名乗りはしましたが、実際の私は『超越生者』ですので。一度で殺し切れるとは、思わない方が良いかと」
結界を操作し、刻まれた体の部位を集めて元の場所に嵌め込んでいく。
そこに“孤独蟲毒”で強化された生命力が効果を発揮し、肉体を繋ぎ留めていった。
普通ならありえないことだが、[称号]が重複して効果を発揮してそれを可能とする。
生存判定強化、普段ならば使わないそれも今回は別──創作物の怪物のような再生だ。
「ふぅ……この身を以って味わい、理解することができましたよ。さすがは【魔導勇者】さんの奥の手ですね」
「…………星敵だよ、君は。正真正銘、紛れもなく人ならざる者さ」
「それは休人全体、という括りではないみたいですね」
「君たちという種そのもののことを言うのであれば、そうあれと望まれたのだろう? 死の代償は存在している……が、君は違うじゃないか。死を厭わない蛮行、生の倫理を踏み躙る冒涜──まさに星敵そのものさ」
酷い言われようだが、まあ休人全体をそこまで嫌悪していないようで良かった。
俺一人のせいで……ということになると、確実に問題が起きていたからな。
「それ自体は『超越者』だった頃から変わらないのですが……まあ、お互いに再認識ができたということで」
「“時喰”、“除空”──“時空環”!」
上手いこと話を終えたかったのだが、危険そうな術式を体内に取り込む【魔導勇者】。
二回の『ジクウ』、そして『ジクウカン』と派生された術式……絶対ヤバいだろう。
明らかに合体技っぽいし、先ほど食らったどちらかの『ジクウ』の要素が含まれているとなるとほぼ回避不可能だ。
ちなみにそっちは解析に成功している。
どうやら飛ばす時間の分だけ、先んじて溜め込んだエネルギー……もといカロリーを消費しての発動らしい。
「──遅いよ」
「ッ、ず──」
「ずいぶんな言いよう、かい? 未来は視えていないけれど、これぐらいは簡単さ。失敗はしないからね」
反撃を許されず、ただ嬲られていく。
こちらもこちらで『SEBAS』が稀に絶対に通るはずの場所に攻撃を差し向けているはずなのだが、それすらも捌かれていた。
「……やり直し?」
「! やはり休人は知識が豊富だね。なら、この先も分かるよね?」
「保つ限り、何度でも甚振るわけですか……これは、不味いかもしれませんね」
「……正直、君のためにどれだけ挑んでいるのか言いたくなるよ」
口外禁止もまた、術式の制約なのかもしれないな。
直接的な発言はしていないものの、かなりうんざりしている模様。
まあ、『SEBAS』相手にパーフェクトゲームとかほぼ不可能だし。
俺という媒介を使っているからこそ生じるエラー、それを突いての現状なのだろう。
うん、もちろんいい意味ではない。
ツクルという『 超越生者 ほしてき 』最大の弱点は、 スペック最悪の無能な体 アバター そのものだからな。