闘技大会開発技部門終了 その06
闘技大会開発技部門終了 その06
訪れた教会の入り口で一悶着。
武器を置いていけと言われたので、言われるがままに山のような数をその場に置いていくことにした。
「──あら、やっと来たのね」
「ええ、遅れてしまい申し訳ありません。少し、入り口で手間取ってしまい」
「ふふっ、あなたはいろんな物を持っているもの。仕方ないわ」
「そう言っていただけると、助かります」
教会の内部、聖堂にて座っていたルリが俺に気づき声を掛けてくる。
周りにはルリ騎士団の面々が居り、絨毯を挟んで反対側の者たちを警戒している。
「そして、貴方が私を呼んだ方ですね……初めまして、私は──」
「ツクル殿、お噂はかねがね。我らが神も貴方の活躍には目を向けておられます……失名神話、名もなき神々の信者で在らせられる貴方をね」
「……それはそれは、光栄です」
自己紹介に口を挟み、立ち上がる男性。
神聖さを誇るように真っ白な衣装に身を包み、柔和な笑みを浮かべている。
目に入るのは首から下げている十字架……とは少し違うロザリオ。
先に付いているのは十文字ではない、有るのはナニカの瞳を模ったアクセサリー。
「初めまして。私は『月猫教』にて代表をしております、クレセンキャットと申します。以後、お見知りおきを」
「ええ、よろしくお願いいたします」
月と猫、アクセサリーを改めてジッと見れば何となく猫の目だと分かる。
加えて目の周り、いわゆる涙点と呼ばれる場所も、よく見れば三日月だと分かった。
「それで、今回はどのようなお話があって私は招かれたのでしょうか?」
「はい。アズル様、そしてツクル殿。お二方のご活躍をいつも見させてもらっておりました。争いをも終わらせる偉大な力……それを己が身で体現されるアズル様、嗚呼とても素晴らしい」
「まあ」
「そしてツクル殿。貴方もまた、力を失った神々を一から復活させようとしている。それは無から有を生み出すよりも困難なこと。それでもなお、進み続ける行いはまさに聖人と言っても過言ではありません」
「……ありがとうございます」
俺たちを褒め称えるクレセンキャット。
だが純粋に褒めているのかはちょっと分からない……警戒は緩められない。
「っと、失礼。本題に入らせていただきますね──この度、我らが崇める月猫神様がご降臨なされました。これにより、私どもより一つご提案がございまして」
「「…………」」
「情報の交流をしたいのです。我らが神はご降臨なさましたが、それでもまだこの世界においては赤子のようなもの。いづれは神々しくなれるでしょうが、その前に潰えてしまうわけにはいきません。どうかお力添えを」
情報の交流、それが何を示すのかはまだ分からない。
分からないのだが……その前に、ルリを止めなければいかんな。