闘技大会無制限部門前篇 その19
闘技大会無制限部門前篇 その19
法則を読み解き、反撃を始めようとした。
だがそんなショウを嘲笑うかのように、新たな遺製具を使いだした対戦相手──柄だけの武器、絶対にビームなサーベルである。
「ルールの方は、どういう状態なんだ?」
《使用は観測されておりません。同時併用が困難なタイプ、あるいはそう思わせるために伏せているのかもしれません》
「前者であってほしいものだ……純粋な剣の腕なら【剣星】のショウが上のはずだが、それでもどうにか戦えているのは、光線銃との組み合わせのお陰か?」
一本の剣を両手で握るショウに対し、銃と柄をそれぞれ片手で持つのが対戦相手だ。
現実であれば、柄だけにせよ籠められる握力が低下してしまうはず。
だがこちらの世界であれば、隠し値である筋力をある程度上げればそれも可能となる。
無制限部門は実力者たちの集い、レベルも相応に高ければ問題無いだろう。
柄からはやはり刃を模したエネルギーが投影され、物質化したソレが剣を防いでいた。
危うくなった時、またショウが防御しようとしたときに光線銃を撃っての二刀流だ。
「──あっ、ショウが本気出した」
《『ブレイブソウル』ですね……どうやら、“オーバーブレイブ”は使わないご様子。やはり、一定時間後のデスペナというのは今回の相手には厄介でしょうし》
相手より能力値が劣っている時、能力値の強化を図れる『ブレイブソウル』。
だがそれを超強化できる派生能力は、代償として確定した死を設けられる。
そのため、ショウが発動させたのはもう一つの能力。
これまでの縁を糧とし、己が力へと変換する──“チェインソウルズ”。
状況を打破するべく発動したこの能力、これによりショウの『ブレイブソウル』の強化量が僅かながらに向上し、同時に仲間に由来した特殊能力を発現させることができる。
「今回は魔法剣を選んだか……うん、やっぱりビームなサーベルも籠める物で刃を切り替えられるタイプだったか。自前で用意する代わりに、バリエーションを増やしたってところかな?」
《もともと、 遺製具 レリック となった個体の格があまり高くなかったのかもしれません。そのため刃の投影を当人がすべて賄い、あくまでもその媒介に専念することで可能としたと思われます》
「おっ、始まったぞ……能力値が高くなった分、ショウの方が有利なはずなんだが……まだ隠し札があるのか」
最初から使っていた遺製具はネックレス、そして柄の遺製具で二種類。
だがここで、新たに別の部位が光を発し始めたのだ…………ショウは大丈夫だろうか?