闘技大会無制限部門後篇 その05
闘技大会無制限部門後篇 その05
アンデッドなことが判明した『先読』。
なればこそ、弱点である聖属性で攻め立てていくが……そこはあちらも普通に対策済みなようで、瘴気のオーラに防がれる。
それでも相手の動きを観察し、どうにか五分と五分の状況を維持していた。
はっきり言って、手数を知られ過ぎるといづれ攻略されるのは間違いない。
《旦那様、一つご報告が。『先読』の権能解析、終了しました》
《おう、それで結果は?》
《未来視全般に対するあらゆる補正、加えてそれに基づいた対処的行動への補正です。要しますと、未来を視ることならば何でも、そしてその対応もまた強化されています》
《うーん、控えめに言ってもチート》
思考と動きは切り離されているので、その報告を受けても対処は的確にできている。
だがそれでも、『SEBAS』の語る権能の効果はあまりにも破格だった。
未来視全般、それはつまり一種類だけでない多くの未来視を想定しての権能だということ……これ、未来を演算的に視ている場合なら、思考の強化なども含まれてそうだな。
そして、対処的行動への補正。
未来を視て起こす対応なら、どんなものでも補正により良くなるわけだ。
カウンターだけでなく、回避なども含められているのだろう。
創作物でよくある、高火力による面制圧などもおそらく無意味になるに違いない。
《そして、職業ですが……》
《…………嫌な予感しかしない》
《──【運命姫】です》
《Oh、最悪から一つ下だけど結局最悪じゃないか……》
告げられたその職業は、名前が示す通り運命関係を職業能力に組み込んだモノ。
言ってしまえば運命操作、制約はあるものの人の生死すら書き換えられるレベルだ。
なお、最悪から一つ下といったのはそんな職業でもいちおうは超級職なため。
俺の死を直接操作する、なんて所業は極級職である上位互換でなければほぼ無理だ。
《【運命王/姫】の職業能力は言ってしまえば試験版、初期より高い性能を発揮できる代わりに運命操作に限ってしまえば、どれだけレベルを上げても性能に変化はありません。ですが、それでも厄介ではあります》
《運命を観測する力、そっちの方は普通に機能するし権能で強化されるし……逆によくもまあ、攻撃がギリギリとはいえ通せていると感心したくなってきた》
《旦那様の[称号]には、いくつかそれを打開できるものがございます。その中の一つ、『死亡フラグクラッシャー』は死する運命を大きく捻じ曲げることが可能です》
初期も初期、死神様の所で殺されまくって居た時期に得た[称号]である。
あの時の行いはやはり無駄では無かったわけだ……よし、後でお祈りに行こう。
まあ、打開できるだけでそれが『 = イコール 』で勝利となるわけではない。
未来だけでなく運命まで観測している相手に、どうやって勝つというのだろうか。