闘技大会無制限部門後篇 その14
闘技大会無制限部門後篇 その14
決勝戦の相手は『陰陽師』となった。
優秀な八人の式神に加え、妖刀で世界を切り裂ける神子の式神少女も相手取らなければならない。
「少し、ルールの方をおさらいしておきたいな。何か思いつくかもしれないし……説明してくれるか?」
《畏まりました》
使用制限、そして制限時間。
あとは舞台から降りたら敗北……ぐらいしかきちんと把握していないからな。
「使用制限、これは回復アイテムだけだったよな?」
《基本的にはポーションや魔法薬など、身力の回復やそれを促すモノが禁止となっております。加えて、禁制品とされるアイテムもまた制限が掛かっております》
「……知らなかったな」
《旦那様の所持されているアイテムで言いますと、使ったその瞬間『恒星能爆弾』や『核爆槍』、他にも質量兵器などが使用を禁じられてしまうでしょう》
脱獄時に使ったエネルギー兵器、そしてそれと同等レベルで危険な質量兵器など。
現実の兵器を使うかは別として、いくつも保有しているのがアイスプルの凄いところ。
禁止条約が無い世界だから、と実際にどうなるのかを試したりもしている……結果、迷宮が何度滅んだことやら。
「最初の二つは言わずもがな、質量兵器なんかも準備が面倒だし無理だよな……『愚者の石』なんてチートアイテムは、使用制限だけで済んでいるし、配慮はされているのかな」
《術式を保存する遺製具や固有職業、『プログレス』なども発見されております。無条件で三つの保存が可能な『愚者の石』は、それら一人限りの特権を誰でも使えるアイテムで行っております……制限は仕方ないかと》
「いづれは無制限の『賢者の石』にしたいんだけどな……星石を使っても、まったくキャパシティが足りてないし。まあ、いつかは作り上げるんだけども」
元より、失敗作を使い続けているだけ。
今回は三つという点から見逃してもらっているが、見逃せなくなるようなアイテムを作りたいという願望は忘れていないぞ。
「制限時間……は、いろんな意味でだよな。大会としての試合制限時間だけじゃなくて、俺の肉体の稼働限界も込みだし」
《ルール上、試合中は死後もダメージの蓄積が記録されております。それを保有するスキルや固有能力などから換算された数値に変換し、上限に達した場合は問答無用で敗北扱いとなる仕様です》
「俺の場合は小数点以下からだけど、それでも死亡は死亡だもんな……“孤独蟲毒”は使えるかもしれないけど、相手が九拿だとすると普通に上限いっぱいまでいっても及ばない気がするよ」
神子とはそれほどの存在なのだ。
それを従えたうえで、他にも優秀な式神たちを配下とする『陰陽師』はそれほどまでに末恐ろしい相手なのである。