闘技大会無制限部門終了 その07
闘技大会無制限部門終了 その07
家族会議が始まった。
議題は、特殊耐久サバイバル部門に持っていくアイテムについて。
「アナタは何を持っていきたい?」
「……うーん、逆に具体的な物がまったく思いつかないんだよな。ほら、必要になればいつでも作れるだろうから」
「ふっ、持つべき者の背負う業……ってところかしら!」
「「「…………」」」
よりにもよって、命運の女神/教祖様がそれを言う? という反応を三人でする。
それぞれ何かしらの立場はあれど、瑠璃に敵う人は誰も居ないのです。
「ま、まあ、そんな感じだな。だから、逆説的に何にでも対応できる物が必要となるわけだし──人造遺製具の勾玉を持っていこうかな? って、『SEBAS』と話してた」
「あの決勝戦でも使ってた?」
「そう、アレ。ただ、アレって経験値を代償にしないと扱い切れないから、それ用の魔道具を持ち込めないと、確実にレベルが下がることになるのが難点なんだよ……なんか、そういうアイテムばっかりだ」
他にも、妖刀[宿業]も有りなのでは? という話だ。
要するに、生産能力以外皆無な俺を補う戦力を持っていくということ。
だが普段と違い、代償を誤魔化す術が無い場所で使うのが酷く面倒。
ちょうどいい塩梅というものを、満たすことができないのだ。
どちらを持っていくにせよ、ここぞというタイミングでの活用方法はいくらでも思いつく便利さだからな。
「瑠璃と舞は、遺製具を持ち込むでもいいと思うぞ。オンリーワンなアイテムだから、誰かと接触したときも見ただけでこっちをそれなりに強い相手だって分かるし、奪うことはできない……旨味を感じなくなる」
「なるほど、たしかにただ便利なアイテムを持っていくだけじゃ奪われるものね」
「そう、殺してでも奪い取るってゲームみたいな選択が、もし本当のサバイバルなら当然あるわけだ。システム的にそれを防いでくれる遺製具を、選んでもいいと思うぞ」
瑠璃も舞も遺製具を固有種の討伐には成功しており、その加工を依頼されたこともあるため、それを俺は把握している。
かつて『騎士王』が固有種の遺製素材を渡してきたように、近くに腕のいい職人がいる場合は、素材という形で固有種討伐の報酬が出現する場合が多いのだ。
腕のいい職人が加工すれば、遺製具同様に破損しても時間経過で修復される仕様を維持することができる……そのうえで、当人の希望に沿ったアイテムにできる。
「ただ、支援担当な瑠璃や従魔たちを呼べる舞と違って、翔はそうはいかない。なんてったって、武器が必要になるからな。まあ、最悪持ち込まずとも、装備品なら取り戻せるかもしれないけどな」
これが特殊耐久サバイバル部門の特徴。
部門開始時に能力やら補正が無くなる装備品だが、条件を満たすことでそれを復旧させることができる。
まあつまり、普段は堅固な鎧を身に纏っていても、ただ暑い着ぐるみ同然となる仕様。
武器なども一時的に弱体化、RPG序盤の武器レベルに火力が出なくなるようだ。