闘技大会無制限部門終了 その09
闘技大会無制限部門終了 その09
瑠璃がアズルと持っていく物として、宝石がチョイスされた。
ほぼ間違いなく、交渉材料として便利に使えるからな。
「舞はそうねえ、やっぱり武器がいいと思うわよ。だってほら、従魔の子たちを宿すのに必要でしょう?」
「そうなんだけど……生半可な武器だとすぐに壊れちゃうし。でも、お父さんの作ってくれた魂殻のいいかなって」
「そうだな……召喚系の従魔と違って、舞の従魔は調教系。もしもの事態に備えて、実装できるようにしておくのはいいかもな。問題は、一つしか有効化できないことだけど」
「うん、代わりばんこで出てもらえばいいと思う。武器は私に憑依してもらえば、たぶんどうにかなるし」
魂殻は装飾具枠、ゆえに矢や弾丸と違い選択しても一つ分しか持ち込みのルールに適用されない。
そのため、武器や防具の持ち込み同様に現地で有効化を狙う必要がある。
……それでも、もしもの事態を免れるためにはぜひとも欲しいアイテムなんだよな。
「私はそれでいいとして……お父さん、本当に決まらないね」
「うーん、何でもかんでも作れちゃう弊害がここに極まっているな」
人造遺製具、勾玉こと『無形受器』。
因子を保有する固有種の能力を使用できるチートアイテムなのだが、基本的にレベルというか経験値がコストなのが痛い。
他にもチートアイテムがいくつかあるのだが、どれもこれも俺の命を喰らうことが前提であることが多い……普段はいいんだけど、大会の仕様上は非常に面倒なんだよな。
「これ、アレだよな。もしゲームが現実化してデメリット云々が本当に作用する系だったらさ、命やらレベルを代償にするアイテムは全然使えなくなりそうだ」
「ふふっ、使わせないわよ」
「あ、はい」
ちょっとルリの顔が怖かったので、大人しく頷いておく。
……まあ、『SEBAS』がそうならないようにサポートしてくれるさ。
「あ、そうだわ! アナタ、エクリちゃんを連れていくのはどうかしら?」
「エクリ? ……あっ!」
何だかんだ、住民として普通に過ごしてもらっているが、彼女は人造遺製。
遺製素材を基に生み出され、俺の持つ生産技術を髄まで詰め込んだ最高傑作だ。
つまり、そう捉えてはいないがアイテム。
人造人間であり機械人形でもある、心の歯車を宿した生きた人形。
「よし、あとで登録できるか確認する必要はあるが、エクリにしようか。瑠璃、ナイスアイデアを教えてくれてありがとう!」
「いいのよ、私だってそうして教えてもらっているわけだし。お相子よ」
「よし、それじゃあ今日はこれまで! 明日に備えて早く寝るぞー!」
『おー!』
時間加速が普段以上になるし、より多めに寝ておいた方がいいだろう。
俺たちはそうして、明日に向けて準備を進めていくのだった。