特殊耐久サバイバル部門前篇 その12
特殊耐久サバイバル部門前篇 その12
今後のために採掘に勤しんでいたところ、特別枠で持ち込まなかったモノ以外の制限解除に必要なアイテムを手に入れた。
さっそく使用し、:DIY:に掛けられた制限の一部を解除。
かなりぼったくりな費用は掛かるものの、一度得た素材なら生成できるようになった。
「──暑い、さすがは火山の領域」
一番最初、ヒャッハーなロールプレイをしている参加者から貰った情報。
その中にあった火山の魔獣領域、そこに今俺はやって来ていた。
マグマの川が流れ、至る所で噴煙が吹き上がる灼熱の領域。
はっきり言って、人が生きられるような場所ではない……が、参加者の姿があった。
「やっぱり、鉱石は重要だからな……元気なうちに集めておきたいんだろうな」
彼らの目的は俺と同じく鉱石。
荒野で採掘をしているが、あちらは銅や鉄などのそこまで加工に苦労しないようなモノしか出てこなかった。
だが、ここで取れる鉱石はもっと苦労する代わりに効果が凄まじいもの。
固有名を持つ鉱石など、希少価値の高いモノが採掘可能なのだ。
「エクリの体で暑いって感じるのは異常なんだよな……そういう法則か?」
《おそらくは。耐性を無視した暑さ、またそれに伴う体力の低下などでしょうか》
「なら、涼しくなるよう努力しよう──“冷気化却”っと……おおっ、涼しいな!」
魔法でも魔術でもない、そもそも術式でもない魔力の現象。
機械箱庭の技術を以って可能とする、魔力により強制的に引き起こされる物理現象。
今回は気化熱と冷却を組み合わせ、体から熱を奪い去るという 魔動 プログラム だ。
──魔法や魔術を使わないのは、単純に燃費が悪いから。
「……水や氷の精霊がこんな場所に居られるわけがないから、必要な魔力が普段より増大しているんだよな。でも、魔動はほとんど物理法則を利用しているから、術式よりは経費が軽くて済む、持っていてよかったよ」
術式とは根幹が異なるからこそ、条件さえ整えられればどこでも同じ結果を出すことができる──これもまた、物理法則と同じだ。
まあ、『SEBAS』のような優れた存在でないと一から魔動を構築するなんてことは難しいんだけどな。
「採掘の間は向こうを刺激しないよう、闇を展開しないでやっていくつもりだ。ここでいいアイテムを得られたら、ドローンを何個か作ろうか」
現状、『SEBAS』との連絡は機械ではなくインストールした『プログレス:セバスチャン』によって行われている。
だが、こちらは機械の製造さえできれば連絡がつくので解除可能だ。
そうなれば、使える手札が一枚増えて活動もしやすくなる。
何としても必要な鉱石を集めたい。
マグマが煮え滾るこの領域で、命がけの採掘が幕を開くのだった。