特殊耐久サバイバル部門前篇 その13
特殊耐久サバイバル部門前篇 その13
火山の魔獣が君臨する領域、そこでは水や氷の術式がほとんど機能しない。
ゆえに物理現象に基づく魔力の行使──魔動にて、体を冷やして採掘を行うことに。
「……いいのが出ないなぁ」
擬似スキルの採掘、そして:DIY:スキルのパッシブ能力による全生産行動への適応により、充分な硬度を持つツルハシさえあれば理論上の採掘は可能なはず。
がしかし、結果は芳しくない。
たしかに荒野での採掘に比べれば高品質かつ固有名を持つ鉱石の採掘はできている……ただし、量が少ないのだ。
「うん……これが物欲センサーか。中途半端に出るのが、逆に嫌だよな」
いちおう、解放した:DIY:の能力で複製することはできる。
だが、貴重な物ほど身力の消費が異様に増えるため、あまり使えないのだ。
……なお、仕様として生産しないと生み出した素材は消えるので、最低限精錬できるだけの量を用意しておかないといけない。
「まあ、そういうのの対策もできるのが凄いとこだな──探策術“探波”」
生産世界で学んだ、四つの技術の一つ。
アイテム固有の波動を読み取ることで、それそのものや関連する存在を暴き出すという探知兼解析能力だ。
これを採掘に当て嵌めた場合、最低限指定の鉱石が採れるかどうかが分かる。
そして、マニュアルで採掘する場合……採掘可能な場所がピンポイントで分かるのだ。
「ここか──“アップ・ロード:エクスベイター:ディグホー”」
特定した鉱石の在り処に向けて、手の中に顕現した鍬を握り締め振るう。
掘削に特化した擬似権能は、硬い岩盤を貫き一気に削った土を押し退ける。
「有った、やっぱり組み合わせ次第だな。ここまでお膳立てされれば、やり放題だ」
削り取る鍬は鉱石ごと削ってしまうので、本来は向いていない。
だが探策術で削る範囲を調整できれば、収納可能な手前までを綺麗に削れる。
これにより、大幅な時短が可能になった。
ずっと採掘を続けていれば、当然時間を消費して日が暮れる──夜になれば、魔物や魔獣たちの活動が活発的になるだろう。
「そうなったら、さすがに不味いし……魔物由来の素材を得るのは、また今度だな」
イベントの明確な上位に残るための条件が分かっていない以上、ただ生き残るだけでも戦い続けるだけでもダメだ……特殊耐久サバイバル部門であり、生存でも武闘でもない。
まずは『SEBAS』との接続を維持できるようにする、これが最優先事項だ。
必要な鉱石、量はともかく種類としてはもう揃っている──暮れる前に終わらせよう。