特殊耐久サバイバル部門前篇 その19
特殊耐久サバイバル部門前篇 その19
一日目を終え、発表された途中経過を見ていくつか考察をすることに。
……無制限部門といい、何か裏があるだろうと『SEBAS』と話し合っていたよ。
「──“万闇統一”」
改めて、活動を再開。
闇を外装のように纏い、何となく忍者っぽい感じにしてみる。
意味など無い、だがノリというかモチベーションだけは自分の中で向上していた。
そして、そのテンションだけで周囲に生まれていく微精霊……そういう生態なんだよ。
「固有種になった精霊系の個体は、共通して微精霊を生み出す性質を持っているからな」
《同属性のみとはなりますが、生み出された微精霊は他者に奪われる可能性が極めて低いですし、使役するには最適かと》
多くのデータから、そんな多くの者は知らないことを知っている俺たち。
……何だかんだ、精霊タイプの人造固有種は全属性コンプリートしているからな。
普通に魔物型の固有種を一から構築するよりも、コスパがイイというかなんというか。
本来なら躓くある工程も、【救星者】の権力でごり押しできるのだ。
「“擬精芯入”……これってさ、擬似じゃない微精霊たちに使って大丈夫か? いやもう使ったけど」
《正確にはこの術式は、最低限の知性のようなものを植え付けるものです。無いモノはその最低限を。すでに持っているモノにはそこに付随された知識を与え、知性の向上を見込めることでしょう》
「……いろいろとマッドな感じを覚えるが、まあ『SEBAS』の術式だし問題ないな」
うん、俺って世界線によっては完全に機械の言いなりになるディストピアの住民に成り果てていたかもしれない……けどまあ、実際頼れるのだから仕方がない。
万能執事AI『SEBAS』、一度体験したらもう止められないその利便性。
まったく、過去の俺は:DIY:のお陰だろうがよくそんな存在を創り上げられたな。
◆ □ ◆ □ ◆
微精霊たちを派遣しながら、火山領域を散策していく。
この時、微精霊たちにはあるモノを動かしてもらっていた。
「『SEBAS』、どうだ?」
《映像は問題なく届いています。精霊式のドローン、成功です》
「材料が足りなかったから、それを補ってもらっているけど、上手くいって良かったよ」
精霊たちが観たモノを、『SEBAS』が観測できるようにした特別機だ。
これにより、情報収集の精度が格段に向上している。
《旦那様、参加者が接近中です》
「昨日採掘していた時は、誰も近づいてこなかったのにな……まあ、逃げるけど」
無駄な戦闘は避けたい、魔獣を刺激することにも繋がるからな。
微精霊たちに指示を出し、周囲に闇で出来た煙幕を展開──影に潜りその場を離れる。
しばらくして、煙幕を振り払って現れた参加者たちを遠くから観察しておく。
……どうやら特殊耐久サバイバル部門も、簡単には終わらないようだ。