特殊耐久サバイバル部門前篇 その47
特殊耐久サバイバル部門前篇 その47
魔獣たちからのお誘い、そこに星たちの意図があるのでは? と思った。
休人では俺だけが知る事実──いづれ来るラスボス候補に関することだ。
「まあ、例の存在についてはさておくとしてだ……仮に参加者たちに強さを教える、そういうイベントだったとしたら。この仮定のままでいいと思うか?」
《……目的のすべてでは無いでしょうが、そういった要素もあり得るかと。休人たちがこちらの世界を訪れるようになって、それなりに時間が経過しております。試金石代わりに行われている可能性もあります》
「元はアイデア募集から決まったものらしいけど、具体的にどこから届いたアイデアなのかなんて情報は、開示されてないんだよな。何より……アイデアの募集先が人に限っている、なんて要項も無かったわけだし」
運営側が面白いと思った、あるいは面白い面白くないに関わらずやらざるを得ない状況ならば、必然的にこの特殊耐久サバイバル部門になるわけだ。
「あと、これは全然当たってないと思うんだが、これには女神の方のプログレスも少しは関係しているんじゃないか?」
《──なるほど、憧憬の強化ですね》
「そう、それだよ」
憧憬、要は目指すべきイメージ。
根本的な部分は深層心理に根差した願望を基に構築される『プログレス』だが、擬似権能の詳細を決めるのはそれだけじゃない。
創作物でよくある、始まりにして原点。
より強いイメージを抱くことで、成長できる『プログレス』も存在する。
「基本的には、経験値さえ稼げていれば勝手に成長していくんだけどな……たまに成長のイメージが思いつかなくて止まるヤツとかもいるみたいなんだよな」
《はい。中級から上級に向かうのも、強いイメージが必要となっていますね。上級からその上、マスター級となりますと初期に確認されてから増えておりません》
「そういえば、【傾界魔王】の『イモータルマスター』以降は何も増えてないんだっけ。いったい、創造神様たちの依頼を叶えられるのはいつになるのやら」
擬似権能であるにも関わらず、本物に届きうる……あるいは超えているような唯一無二の『プログレス』、それがマスター級。
何でも模倣したり、生と死を自在に弄ったりと……発現者を直接知っているモノだけでも、破格の能力を獲得している。
「星だけでなく、神様関係もか? 失名神話の神様以外にも、『プログレス』の強化を狙う陣営があるのかもな……いやまあ、一番得するのは俺だからいいんだけどさ」
そう、『プログレス』がより発展することで一番利を得られるのは外でもない俺。
なんせ(使えるかはともかく)全部を利用可能な管理者権限を持っているからな。
「──よし、改めて考えも深まったな。とりあえず、準備を本格的にやっていこうか」
アイテムはどれだけあっても困らない。
目的をある程度予測できたからこそ、希少なアイテムもふんだんに使った消耗品を用意できるのだよ。