特殊耐久サバイバル部門後篇 その05
特殊耐久サバイバル部門後篇 その05
いくつかの準備を終え、魔獣たちが本格的に侵攻を始めるようだ。
すでに侵攻済みな場所から、参加者たちも奪われないよう抗うことになるだろう。
「えー、それでは皆様。各自、お願いした場所へ移動してください。撤退の際にはご一報入れますので、それに従い下がってくださいね。従っていただけない場合、ご帰還は保証いたしかねますので」
魔獣の遣いからそう注意を受けつつ、裏切り者たちは特定の領域を侵攻しに向かう。
すべての領域を一度に攻めるのではない、今回は同時に五つに派遣されるらしい。
行くのはとっても簡単、用意された空間の門を潜るだけ。
転移門に似ているのだが、魔獣の匙加減で座標が書き換えられる恐ろしい代物だ。
「……さて、私も向かいましょうか」
俺も俺で場所の指示を受けているので、同様に門を潜った。
用意された五つの内、俺が選ばれた先──平原を訪れる。
最初に飛ばされた初期位置、あの時はまだ緑が溢れる場所だった。
しかし現在、魔獣が侵攻を始めたことで環境は狂いに狂っている。
俺の周りは灼熱の熱気に包まれていた。
地面は熔けてドロドロと──マグマとなり平原を蝕んでいく。
「ドローン展開、支援を開始します」
《了解──[称号]変更完了、【救星者】より支援補助能力を起動します》
それでも俺たちは平然と、結界に包まれた安全地帯から支援を行う。
共に活動する裏切り者たちには体感温度を抑える液体を散布し、体を冷ましていく。
また、『愚者の石』ではないものの術式をストックした魔石をドローン経由で輸送。
たった一つ、使い切りで仕込んだ術式を能力や称号補正で高めて配っていった。
「まさか、一番最初に訪れた火山領域の魔獣と共に、最初に訪れた中立地帯を侵攻することになるとは……ああ、アレは懐かしい」
遠目に見つけたのは、魔物たちに襲われ危険な参加者たちを助ける者たち。
とても悪人とは思えない、だが見た目は悪人にしか見えないロールプレイをした連中。
どうやら仲間たちと合流した後、ここを拠点としたようだ。
……実力云々ではなく、初心者たちを支援するために選んだ気がするな。
「報われて欲しいが、今回ばかりは容赦するわけにはいかないな──『SEBAS』」
《視覚補正を開始します》
「“万闇統一”──バンッと」
周りにバレないよう、大型の狙撃銃などは展開しない。
代わりに人差し指を突き出して、親指で照準を合わせ──撃つ仕草をする。
ただそれだけで、チンピラの姿をした参加者の一人が粒子と化す。
情け容赦は今だけ捨てよう、強そうな連中は排除していかなければ。