特殊耐久サバイバル部門後篇 その12
特殊耐久サバイバル部門後篇 その12
どこにでも居るであろうジンリの手の者。
それを警戒しつつ、他の者にも情報が漏れないよう一部の制限を設け……と、いろいろと苦労しているのだ。
「それでも、手を抜いてはいけませんし。相手方の予想を少々上回る程度であれば、問題無いでしょう」
ジンリの中では、俺はどんな縛りプレイをしても最終的にトップランカーに匹敵する実力を身に着けるふざけたヤツ……みたいな認識になっているんだとか。
ツッコミたいところは多々あるが、要はこちらを全然舐めてくれないということ。
それでも、『プログレス』の生みの親であるなどの情報までは知られていない。
そう思わせる要素を、きちんと正当性を持たせた形で偽装してあるからだ。
そんなわけで、見せる情報に制限さえ掛けていれば何とかなる……と思いたい。
「……どうでしたかね、今回の侵攻は」
《多くの収穫が得られました。やはり、魔獣の領域支配やその展開は、超越種と災凶種の持つモノと類似する点が多かったです。また一点において、彼らを上回るものもございました》
「何でしょうかねぇ、それはいったい」
発言は全部聞かれているという前提で、二人称は出さずに行う『SEBAS』との話。
どうやら、魔獣たちには特別な性質があるとのことで。
《それは支配領域の規模です》
「……凶悪な個体であれば、それだけ広くなるとなるのかもしれませんね」
《いいえ。災凶種もたしかに超越種よりも、広い規模で己の法則を遵守させることができます。しかし、それでも彼らの領域には限度がございます》
「まさか、無制限?」
《魔獣にはそれが見受けられません。おそらくそれを抑制するものこそが、例のアレなのでしょう》
「! なるほど、それでですか」
休人であれば俺のみ、原人であってもある決まりがあるためごく少数しか知ることの無いある情報。
超越種と災凶種、彼らが存在する意味を考えると、無制限に力を与えることは無い。
だが魔獣にはそれが無い、無軌道な力が暴れているというわけだ。
「…………不味いのでは?」
《ゆえに星々は、彼らにアレを与えることで抑制しているのでしょう。逆にそれを拒む個体は、自らに従う者を派遣することで討伐している。ですが、今回は違います》
「最終的に、たった独りの魔獣となった時にどうなるのでしょうね」
そしてそこに、この領域を統べる魔獣も該当するわけだが。
俺を即座に殺すわけでもない、あえて生かしているのかもしれない。
「いづれにせよ、我々は互いを利用しあう関係です。最悪、独りにならないよう祈ることが精々ですね」
……それに言葉にはしないが、おそらくは星々も策を取っているはず。
やっぱりあれだな、いろんな意味で今回のイベントはお披露目なんだろう。