特殊耐久サバイバル部門後篇 その13
特殊耐久サバイバル部門後篇 その13
魔獣たちの危険性、それはどこまでも広げられる彼らの領域だ。
広げれば広げるほど彼ら自身は強くなり、そこに際限は無い。
超越種 スペリオルシリーズ や 災凶種 ディザスターシリーズ とは違う、魔物たちが純粋に成長すれば到達するであろう果て。
このイベントでは、ほぼ確定でそんな魔獣の最強状態が引き出される仕組みなのだ。
「──では、皆様いってらっしゃいませ」
空間を渡る門の前で、いつものようにお見送りされていく裏切り者たち。
何人かの犠牲者は出たものの、参加者たちの妨害に彼らは未だに勤しんでいた。
あれから時は流れ、すでに侵攻が何度も行われている。
魔獣たちによって侵略される中立地帯、また魔獣の討伐すら果たされていた。
それは魔獣たちの同盟に属していない個体なようだが、現在はその魔獣が居た場所は空白地帯と化している。
ちなみにその場所は、MVP扱いだった参加者の属していた中立地帯に上書きされた。
結果、魔獣への対抗アイテムが一気に増えたらしい。
「25に分けた区画の内、魔獣が18で人が7でしたか……人々がかなり追い込まれているわけですが、そろそろ本番ですね」
「『生者』様、いかがなされましたか?」
「いえ。ここもまた、いづれは制圧に動くのかと思いましてね」
「皆様からよくご質問されますね。ご安心ください。私どもはサポートが本質、正々堂々頂点を目指させていただいております」
まあ少なくとも、魔獣たちはそのメリットとデメリットを受け入れたわけだ。
そもそも、最悪の場合は自分以外の魔獣が一気に乗り込んでくることもできるし。
「さて、どうなりますかね……」
魔獣たちの心理戦はさておき、裏切り者たちもやることをやらねばならない。
状況が変化したことで、いろいろと俺たちも変わらざるを得なかったんだよな。
◆ □ ◆ □ ◆
火山領域(旧平原)
「──おやおや、こうなりましたか」
あれからいくつかの領域を渡り、魔獣たちの支援をしてきた。
今回、再び一番最初と同じく火山領域の支援に、だが今回は防衛がメインだ。
「魔獣であるネズミは自らの本陣を守護、代わりに私たちがここを護るわけですが……そりゃあ、こうなりますよね」
結果、かつて自分たちが行ったように、他の領域から魔獣に攻められ領域を奪われようとしているのが現状。
守るモノが増えた分、一つひとつに集中できなくなっているわけだ。
今頃、ネズミもまた自身の領域を攻める何者かと闘っているに違いない。
「うーん、これも仕方ないですし……少しだけにしておきましょう」
時間はそれなりに有ったので、アイテムも十二分に揃えてある。
中でも、普段と違って魔獣由来の素材が盛り沢山なのだ──少しぐらい遊ぼうかな。