特殊耐久サバイバル部門後篇 その18
特殊耐久サバイバル部門後篇 その18
配置換え、特殊耐久サバイバル部門に点在する無数の環境、区画分けされたそれらの位置する場所が八日目にして変更となった。
ここで気になったのが、どのようにしてそれが成されるのか。
……空間を操る魔獣、どうやらイベントの根幹として協力が仕込まれていたようだな。
「それでは、皆様にはこれより配置換えが行われたエリアへ向かっていただきます。ご協力いただき、ありがとうございます」
八日目は侵攻は行われず、代わりに配置換えの影響を調べる日となるらしい。
俺たちもまた、集った有志で調査をすることになった。
斥候系の能力の持ち主たちが、そうして探索に赴くことに。
……聞けば分かるはずなのに、当の魔獣とその遣いは沈黙を貫いているからな。
「どこに繋がっていているかはともかく、そこから先に何があるのかをこちらで把握できていません。何かあれば、すぐに戻って来ていただいて構いませんのでお気を付けて」
門の行きつく先は固定されておらず、あくまで同盟に属する魔獣の支配地かあるいはそうではないか、そして中立地帯かだ。
そして、俺たちの前に展開されている門は三つ──ちょうどその三種類らしい。
その中で、俺は中立地帯を選ぶ……つもりだったのだが。
「……『生者』様、貴方様には同盟に属さない魔獣様の支配地をお願いします」
「自由を奪うと?」
「ご家族と合流される、あるいは情報を提供するおつもりですよね? さすがにそれは、こちらとしてもちょっと……」
「バレましたか。分かりました、今回は指示に従いましょう」
そのつもりがあったかないかで言えば、多少なりとも考えていたぐらいだな。
ただし、できないことは想定済み……むしろ、その情報を掴んでいたかの確認である。
いくつかのやり方で情報を小分けにし、空間の魔獣にとって益となるものとそうでないもので、その漏らし方も考えていた。
が、それでも今回バレたということで、最低限の情報漏出ラインが判明する。
……一番ヤバいのを知られていたら、即刻追放のはずだったからな。
まあ、『SEBAS』との独り言風会話まで知られていたら最悪だった。
やはり、俺という休人の最大の特徴は権能ではなく『SEBAS』なんだよな……。
◆ □ ◆ □ ◆
氷原
「……露骨に危険な場所、というわけでは無いようで助かりました」
俺を殺すための死地、を用意するとさすがに共に来た裏切り者たちが死んでしまう。
なので移動先は最低限、逃げ込む場所として安全が確保された洞窟の中だ。
外では雪が吹き荒れている。
そんな特徴を持つ区画のことを、ドローンですでに知っていた。
「先んじて侵攻を済ませていた二つの区画のうち一つ、氷原が今回の探索場所ですか」
当然、その後も侵攻が行われ、領土の規模も変化している。
──常勝無敗を誇る領域、それが氷原のある意味最大の特徴だ。