特殊耐久サバイバル部門後篇 その21
特殊耐久サバイバル部門後篇 その21
空間領域
氷原の探索は危険がいっぱい。
門が設置された洞窟に逃げ込もうとしていた一般参加者の弱りっぷりが、それを如実に示していた。
彼らを受け入れることはなく、そんな状態で帰還した裏切り者たちと接触したようだ。
まあ、どうなったかは言うまでもない……おっと、ポーションの補填をしないとな。
「取り決めというのは、やはり重要ですね。言葉を交わせる者同士、知性を以って行動することができます」
裏切り者たちとは装備のメンテナンスを行う際に、いくつか契約をしている。
要は俺の点数稼ぎの邪魔をするな、やるならその後にしろ……ということだな。
ちなみに、そんな感じで回復した後に殺すといった支援と殺害の両獲りはできない。
なので彼らがどうなったかといえば、俺も実際には分からないわけだ。
……関係無いが、ドローンを先ほどの連中に張り付けてある。
無論、彼らの拠点や中立地帯を調べるためであって、決して他意は無いのだ。
「ともあれ、我々がこうして現場に赴いて出来上がったのがこちらの地図ですね……まだ足りていない部分もありますが、大部分が埋まっていますか」
自分たちが派遣された領域、そしてその領域と隣接する場所ぐらいなら調査可能だ。
その辺は確定の情報として記され、他は未確定の情報として記されている。
一度にすべてを埋め切れないのは、やはりいろんな意味で危うい場所が多いからだ。
強力な魔獣はまだ簡単だ、その領域の特徴でだいたい分かるから。
それよりも大変なのは、強力な参加者たちが守護している中立地帯。
うちの家族しかり……どうやら、他にも居るようなんだよな。
「──『逸脱者』たちが参戦すると?」
《はい。八日目以降、侵攻時に彼らが防衛側としてランダムで転送されてきます。何から何まで支援するということは無いでしょう。しかし、これまでのように上手くいくことはないと思ってください》
「……何ともまあ、ある意味予定調和で」
まずは魔獣の強さを体験してもらう。
そのうえで、星が保有する強力な戦力を解放してアピール。
魔獣が一体ならほぼ連中が負けることなど無いし、徒党を組んでも独りで無双するような奴も居る……まあ、おそらくそういうのが来るのは終盤も終盤だろうけど。
このやり口で重要なのは、最初から参加させて無双させないところ。
映像越しに見るヒーローでは、初めから違うものとして見てしまうからな。
だがそうではない、俺たちは間違いなく魔獣蔓延る中で生存戦略を練ってきたのだ。
そんな小細工を食い破る圧倒的力、その誇示こそが星々の企みなのだろう