特殊耐久サバイバル部門後篇 その30
特殊耐久サバイバル部門後篇 その30
沼地領域
力を奪い合い、それは参加者と魔獣双方の間でも行われていた。
俺は狙われやすくなっているのも、ほぼ単独で魔獣を一体仕留めているからだな。
「さて、今回も侵攻のお手伝いですが……魔獣同士の争いですか」
中立地帯を奪うのは別の裏切り者たちが担当しているのだが、そちらはどちらかといえば戦力とはならない連中だ。
代わりに精鋭たちが集結し、同盟に非所属である魔獣の領域を侵攻することに。
ターゲットは樹海の魔獣、隣接する沼地の領域から裏切り者たちが攻める算段だ。
「──見える限りに、やはり魔物や魔獣は観測できませんね。樹海ですし、やはり霧の奥深くに潜んでいるのでしょう。さすがに外側から見るのには限界があります」
「チッ、呑気に顔出しててくれりゃあ手っ取り早かったのによ。大将、どうすんだ?」
「……ですから、私は代表者には相応しくないと──」
「そういうのはいいんだよ。あんたには整備でお世話になってるし、魔獣を討伐した実績だってある。それに…………闘技大会で無双できるぐらいには実力もあるんだからよ」
裏切り者たちの全員が、俺に厳しく当たっているわけではない。
今回組むことになったメンバーには、その中でもかなり好意的な参加者が居る。
……中には俺の正体を暴いている奴も居るのだが、あんまり隠していないからいい。
何だかんだ、事情を抱えている連中が多いので、喧伝するような真似はしないからな。
「ハァ……仕方ありませんね。では、私から上げられる方法は二つです。一つはハイリスクですが、ここに居る皆さんの点数が大幅に増えます……命懸けになりますが。もう一つは消極的ですが、死ぬことはありません」
「よし、一つ目で頼む」
「周りの方の意見を取り入れましょうよ」
「これまでの実績だよ、実績。あんたの協力者は誰も死んでない、それだけの支援をしてくれるからな。で、命懸けになっても同じことなら、やっておいた方がお得だろう」
周りを見れば、同様に頷く連中。
まあ、指示を出してもそれに従うか従わないかは彼ら次第──そして何より、考えるのは俺じゃないからな!
《お任せください。彼らを想定に加え、新たなプランを構築します》
そんなわけで、俺たちはここから見える樹海の攻略を行うことに。
幸い、他の区画を支配できていないので、一つ分だけ探せば見つかるはず。
問題は深い霧、そしてその内部で展開されているであろう魔獣独自の理。
それらを攻略しない限り、侵攻を成功にはできない……まあ、頑張ってみようか。