特殊耐久サバイバル部門後篇 その34
特殊耐久サバイバル部門後篇 その34
対魔獣用の銃を乱射しながら、即死魔法で襲い掛かる魔物の群れを一掃。
最上位の氷属性魔法で周囲を冷やし、模倣した権能で魔獣が放つ霧を封じ込んだ。
「さて、あとはお任せしますね」
「──おう、ここまでやってもらえれば充分だ。というか、やっぱりあんた一人だけでも倒せたんじゃないか?」
「ここまで張り切ったのはいいですが、いろいろと消耗したものが多くてですね……これ以上の戦闘は、避けておきたいのですよ」
「そうかい。まあ、こっちとしては点数稼ぎが簡単にできるからいいんだけどよ。元気が出たら、いつでも混ざれよ。あんたが居なけりゃ、そもそも何人かは退場することになってただろうしよ」
俺の役目は霧を使えなくするところまで。
後のことは裏切り者たちに任せて、以降は特別なことが起きない限りは傍観に徹するつもりだった。
手の内を隠すためというのもあるが、語った通り使用した手札が多かったのも理由の一つである──特に、『白氷』の模倣再現は今なお使っており、身力の消費が半端ない。
本来の持ち主はその適した生まれ、相応しい職業があるからこそ、天性の感覚で自由に権能を使うことができているが……そんなものは無い俺は一苦労。
水分の操作と簡単に言っているが、分子の結合やら分離やらを細かにイメージしながら行っている──らしい。
うん、そこは『SEBAS』任せである。
最初に噴出孔を塞ぐところまでは俺がやったのだが、以降は亀の方も抵抗しており、更に複雑な操作が求められているようで。
さすがに『SEBAS』無しで戦い続けるのはリスキーと判断し、後方での支援に徹することにしたのだ。
「『形状変更:狙撃』──『加速門』展開」
乱射をする必要もなくなったので、狙い澄ました一撃を叩き込む準備を始める。
二丁拳銃は粘土を捏ねるように一つに纏まり、狙撃銃を模してその場に現れた。
握り締め、宣言すれば内部に仕込んだ機構が起動し始める。
弾丸は自動的に装填されている──照準を合わせ、引き金を引くだけでいい。
『──ッ!!』
「命中。お次は引っ込めた場所を狙いましょうかね」
防御形態となり首や足を引っ込める魔獣。
本来は更に霧の量を増やすのだろうが、展開され続ける氷と『白氷』の模倣権能の効果によって、それは防がれている。
そのため、その姿は裏切り者たちにとってただのデカい的でしかなかった。
何度も何度も執拗に攻撃を叩き込まれ、ついには──
≪討伐完了──『樹海』が保有する領域が、空白地帯となります≫
──今度は集団で、魔獣討伐を成し得たのだった。