特殊耐久サバイバル部門後篇 その36
特殊耐久サバイバル部門後篇 その36
一気に四体の魔獣が討たれ、大きく変化する状況下。
俺は一人、単独でやって来たショウと相まみえることになる。
「──といったところが、簡単にお話しできることですかね」
「『空間』の領域、それを支配する魔獣。おまけに父さんみたいな人たちをスカウトしている……黒幕っぽいね」
「ええ、皆さんそう言っていますし、あちら側も否定はしないんですよね」
軽口を叩きそう告げた裏切り者たちが居るのだが──別に、処分もされなかった。
ただ、遣いはそれを聞いてもただニコニコしていただけだ……逆に怖いよ。
「えっと、同盟だっけ? その『空間』の魔獣以外には教えられないの?」
「……止めた方がいいでしょう。結局、参加者に求められているのはすべての魔獣の討伐です。同盟に所属しているしていないに関わらない以上、気にせずともいいはずです」
こうして会話をしている間、俺は常に死神の加護が告げる死の警鐘を聞いている。
それは危険度に応じて鳴る強さが変わるのだが、特定の話題でそれが強まっていた。
創作物でもよくある、特定の単語やそれに類するモノを喋ったらアウトなのだろう。
警鐘の強弱でそれが分かる俺は、上手いことそれを探りながら話を行っていた。
……まあ、あとで『SEBAS』が詳細な情報を教えてくれるからな。
口封じなんて関係無い、一番に優先するのは家族なんだよ。
◆ □ ◆ □ ◆
空間領域
「──お帰りなさいませ」
「ええ、戻ってきましたよ」
お互いに浮かべるのは笑顔。
その本質は威嚇、俺も向こうも同じ意味を以って口角を吊り上げていた。
「さて、何か言いたいことは?」
「特には」
「本当に?」
「ええ、ございませんよ。それとも、私に何かあると」
ここで肯定すれば、監視していますと言っているようなもの。
俺は気づいているし、創作物でそれが定番だと知っている連中も多い。
それでも断定できないから、あくまで個人で対策しているぐらいで済んでいる。
だがそれが分かってしまえば、裏切り者たちの対応も過激になるだろう。
「……そう、ですか。分かりました、ではこれからもよろしくお願いしますね」
「ええ、お互いの益を守ろうではありませんか。それが続く限り、私たちもまた同志なのですから」
要するに、余計なことを言うんじゃねぇ、と言われたわけだな。
なので俺も、家族に手を出したら分かってるんだろうな、と言い返している。
「──では、皆さんすでに集まっておりますので、貴方様もそちらへ。あちら側も本腰を上げて動いている以上、私たちもまた相応に動かねばなりませんので」
「たしかに。やはり、逸脱者たちが観測された以上そうなりますよね。皆さんのサポートも、多少強引にでもした方がイイかもしれませんね」
なんて会話をしている間も、死の警鐘は変わらず鳴っている。
──それが鳴り止むのは、何かが終わった時だけなのだろう。