特殊耐久サバイバル部門後篇 その39
特殊耐久サバイバル部門後篇 その39
空間の魔獣、その遣いや裏切り者たちの生産担当と共に行っていた 複製 クローン 魔獣計画。
それらを起動し、決戦を行っている火山の領域に投入してみた。
「──結果は地獄絵図、ですか。唐突な投入でしたし、不意打ちとしては上々の成果と言えなくもありませんね」
「……まさか、一人も逸脱者の方々を討つことができないとは」
「ゆえに彼らは特別なのですよ。まあ、少なくともあちらに意識を向けるでしょうし、短期間であれば時間稼ぎもできるでしょう。彼ら自身が火山の魔獣を討つことは、星々により禁じられているでしょうから」
複製された魔獣たちは、それぞれ落ちた先で破壊の限りを尽くしている。
周囲に居た参加者たちは、それにより多くが即座にリタイアしていた。
複製された魔獣たち、その強さは本体ほどではない──九割ほどの劣化個体だ。
普通なら無理だっただろう、しかし魔獣の素材はどれもハイスペックなためできた。
その力を振るってもなお、すべてを殲滅させられるほどではない。
参加者たち、そして逸脱者たちの抵抗によりすでに何体かの複製魔獣が討たれている。
「参加者たちは複製魔獣を、終盤直前の稼ぎ時と勘違いしていますね……さて、そのように考えてもらえているのであれば、どうしますか?」
「さすがにこれら全部──千体を同時に投入するのは、本体でも手間が掛かります」
「手間……できないわけではないのですか」
「ええ、ですので随時投入といきましょう」
それはクソゲーのような鬼畜な環境。
どこを見てもラスボスのような凶悪な存在が、それを討つことのできる助っ人から離れた場所で現れ自分を狙う。
意図して投入先を決められる、空間の魔獣による細やかな嫌がらせ。
一体でダメなら二体、それでもダメならさらに追加していく。
俺はそれに合わせ、培養液を出したり抜いたりを繰り返す。
──空になった容器に培養液を注げば、すぐに新たな個体が複製されていく。
「『生者』様、在庫の残り数は?」
「そうですね……このままのペースだとだいたい──二日ほどが限界かと」
「なら良かったです。ええ、少なくとも時間稼ぎはできそうです」
同じことの繰り返しでは、いつしか終わると分かっているのだろう。
俺もさすがに逸脱した連中相手に、量でのごり押しは通じないと知っていた。
それでもそれを行い、火山の魔獣を生かすために動いているのには理由がある。
それを成し得るまでに必要な時間のため、魔獣を複製しては投入している。
──それは終盤戦、空間の魔獣が本気を出すための下準備だ。