特殊耐久サバイバル部門後篇 その42
特殊耐久サバイバル部門後篇 その42
最終決戦直前。
満身創痍な裏切り者たちを前に、俺はある提案をした──肉体改造(物理)をしてみませんか? と。
複製した クローン 魔獣から得た因子、それを人の体に埋め込むという所業。
当然代償有りのハイリスクなもの、だがそれ以上に力を得られる奥の手だ。
「それは今すぐ決めなきゃなんねぇのか?」
「いえ、ただ早い方が体を馴染ませることができますので。創作物でもほら、よくありますよね? 培養液の中に浸されている人間。アレと同じ感じで、適合度を少しでも上げるのであれば早めの決断が必要ですかね」
「……なら、俺は受けよう。今のままじゃ同じことの繰り返しってのもあるんだが──これはゲームなんだからな、何でも一度は体験してみねぇと損だろう」
「──。ええ、お任せください。必ずや、昆虫のヒーローよりも素晴らしい怪じ……強化人間に仕立ててみせましょう」
「おい、今怪人って言わなかったか?」
そうと決まればさっそく行おう。
迷っている面々もつれて、空間の魔獣の遣いが用意してくれている改造部屋へ。
大量の器具、そして謎の液体やらそこに浮かぶ禍々しい臓器などが並ぶ空間の中央、あからさまにポツンとしている台座に被験……じゃない、協力者を寝かせる。
「麻酔代わりの霧状ポーションで眠ってもらい、その間に手術を行います。死亡扱いにも緊急[ログアウト]にもならず、一時的な隔離状態として扱われますので、退場にはなりません。あっ、耐性は切ってくださいね」
「それはいいんだが……結局、俺はどんな姿になるんだ?」
「ご要望があれば何でもどうぞ。基本プランと今の姿と獣人のように、魔獣の性質が体に付与されるだけです。あとは皆さんのアイデアに合わせ、こちらで調整していきます」
「そんなことができるんだな……なら、いくつかやってほしいんだが──」
その後、協力者のアイデアを聞き入れてから眠らせて手術を開始。
こっそりと:DIY:を起動、同時に網膜にやることリストを浮かべてもらう。
やることとそれを行うための技量、それらが伴ったうえでの手術。
周囲の者たちが見守る中、それは滞ることなくあっさりと終わった。
「──といった形でしょうか。はい、手術は終了です。[ステータス]を確認のうえ、他の方々に説明してただけますと」
「……種族スキルの欄に、カッコで括られたスキルが増えてやがんな。これがそうってことなのか?」
「はい。イベントの期間中のみ、使うことができる力です。ご使用には代償がございますので、ぶっつけ本番でお願いします……それでは、次をご希望の方は?」
そうして、とりあえず手術自体は行っても死なないと理解した彼らは、ほとんどの者が参加することに。
男女も年齢(外見)も種族も問わず、希望通りの姿に仕立てていく。
しばらくすれば、動けないほどではなかった裏切り者たちも追加で希望してくる。
俺はとにかく、最終決戦に向けて彼らを改造を施す。
──そして一日後、空間の魔獣の支配領域へ侵入者が現れるのだった。