特殊耐久サバイバル部門後篇 その43
特殊耐久サバイバル部門後篇 その43
空間領域
可能な限り、協力者たちを改造して複製魔獣の因子を取り込ませた。
このイベント中のみとなるが、いくつか魔獣の能力が使えるチートスペックである。
そんな彼らと共に迎え撃つのは、元は俺たちと同じく特殊耐久サバイバル部門に参加していた者たち──加えて、各星々が誇る最高戦力である逸脱者たち。
彼らを統率する総大将、それは逸脱者にして原人最大のレベルを誇る最強の騎士。
そう、毎度お馴染み『騎士王』さん引率の下、彼らはここを襲撃してきた。
「それで、状況はどうですか?」
「四つの門から同時に来ましたね。時間差や囮なども考えていたのですが……」
「ええ、『騎士王』であればそうすると踏んでいましたよ。凝り固まった騎士道云々ではなく、これこそが正しいと信じている……そして実際、正解ですからね」
空間領域内は他の区域の初期状態よりも広いうえ、魔獣の理によって拡張されている。
彼らはこれから、それぞれ四つの区画を経由して中央に居る空間の魔獣を目指す。
これはこの空間の理であり、おそらく始まりから取り決められていた法則。
過程を経て目的地へ、そして逸脱者たちの参戦にいくつかの制限が設けられている。
一つの区画に付き、活躍できる数が決められているらしい。
参加者たちは誰に助けてもらいたいか、状況に合わせて選ぶ必要があるわけだ。
「星々による知名度アップの作戦ですかね。まあ、彼らが蹂躙するよりはマシでしょうからいいんですけど──それでは皆さん、準備の方はいかかですか? 勝つか負けるか、最後の大一番をどうぞお楽しみください」
「……なんであんたはここで待機なんだよ。どうせならいっしょに行こうぜ」
「そうしたいのは山々なのですが、私は事前のご説明通り中央から皆さんの支援を行いますので。あっ、複製魔獣の方も投入していきますので、必要となればお好きなように」
「まあ、それはありがたいんだけどよ。本当に大丈夫か? 全員で出撃って」
俺以外の裏切り者たち、今回もまた俺を残して各配置先へ向かうことになっている。
その支援として、随時アイテムやら複製魔獣やらを送り付けるのが俺の役目。
少々企業秘密も混ざっているし、空間の魔獣的にもその方が都合が良かったらしい。
なのでいちおう問題はない、強いて言うとするなら──
「皆さんと同じ場所で戦う、というのもあまり多く経験できなかったのが残念です。次に出会う機会があれば、ぜひとも」
『…………』
「なんて、あまり陳腐な言葉は不要ですね。勝てばまた会えるのです、お祝いの料理をたくさん作って待っていますよ」
「全部あんたの奢りだろ? なら、絶対にここに戻ってこないとな」
彼らも分かっている、たとえ魔獣の因子を使っても逸脱した連中には勝てないと。
それでも空元気を見せるのは、そんな姿を見せないためだろうか。
だからこそ、俺も彼らに提案をした。
──たとえそれが、この場で叶わないモノであったとしても。