特殊耐久サバイバル部門後篇 その45
特殊耐久サバイバル部門後篇 その45
最終決戦。
裏切り者たちは、俺の改造によって強化された状態で防衛を行い──あえなく散った。
また、俺を取り込んで究極パワーアップを図ろうとしていた空間の魔獣の魂胆は阻止。
代わりに相手側の最高戦力の妨害を約束して、俺もまた戦いに赴くことに。
「──いやいや、やり過ぎでしょう」
「やはり居たか。誘いに乗って正解だった」
「『騎士王』さん、貴女一人であれば楽しくお茶会でもと思っていましたが……ずいぶんとまあ、お友達を連れてきましたね」
「相手は星敵、しかも我を相手に逃げ切った『超越生者』ともなればな。独りでなど相対することもできぬ」
そこは空間の魔獣が用意した別空間。
特別な取り決めでもされているのか、空間そのものが破壊不能オブジェクトと化しているため、どれだけ暴れても大丈夫……か?
そう思い切れないのは、この場に居るの全員が権能持ちか最上位職に就いているという異常な状態だから。
「……まあ、いいでしょう。元より時間稼ぎに興じるつもりではありましたし、手札を切る枚数が増えた程度ですか」
「勝てる、と言いたいか」
「いえいえ、勝てませんよ……ただ、負けないとは自負していますよ」
取り出すのは一枚の仮面。
その正体を知る『騎士王』は、眉を顰めている。
「あの時の仮面だな。また【魔王】の力を借り受けるのか?」
「それもいいでしょうが、今回はまた別の方からお借りします──“マスク・オブ・アクター”、ご指名は貴女です」
それは派生した『プログレス』の能力。
相手の了承が必須な正規のモノと違い、こちらは再現度合いを劣化させる代わりに無許可での使用が可能となる。
選ぶのは『騎士王』、彼女が参戦してからずっと様々な形で監視を行っていたため、それなりに再現の時間は長い。
また、発現者であるカルルの成長方針から再現の方向性も調整済み。
今回は指定した対象──『騎士王』の身体スペックのみを引き出して借りている。
「そして、こちら──『ミラーリング』。これを付けた状態で触れた方の能力を、一時的にコピーできます……さーて、楽しい鬼ごっこといきましょうか」
俺を直接、そうでなくても星から情報を仕入れるなどして知っている者は恐怖する。
本来、虚弱ゆえの面倒臭さを持つこのアバターだが、そこに地力が入るとなお酷い。
おまけに今はエクリの体を使っていて、辺り一帯から闇を奪わない限りはほぼ不滅。
そんな状況で、触れられれば自分の力をパクられる厄介なルールまで設けられた。
そのうえで、俺を殺したところで蘇るし討滅方法は未だ不明。
制限時間付きで勝利条件は未設定……控えめに言って、クソゲーである。