特殊耐久サバイバル部門閉幕 その01
特殊耐久サバイバル部門閉幕 その01
イベント世界 闘技島
最後の切り札、俺自身の『プログレス』を使うことでイベント終了まで生き延びた。
参加者たちによって空間の魔獣は討たれ、特殊耐久サバイバル部門は幕を閉じる。
「──急げ、報酬を受け取らなければ!」
強制転移によって元の場所──ホテルに戻された俺は、即座に[メニュー]を開く。
そこからイベント関連のページへ、目的はイベントで得たポイントによる景品交換。
「星樹の枝……っと、あったあった。必要経費が最悪だけど、とりあえず交換だな」
ランキング入賞確定な俺が、得たポイント全部使ってギリギリな辺りかなり露骨な気がしないでもない……それでも、迷わず決定を選び交換を果たす。
他にも手に入れたいモノはいくつかあったが、それは入賞報酬としてどうにかできそうなので良しとしよう。
「『SEBAS』、[インベントリ]経由で回収してくれ。そのままできるところまで作業を進めておく感じで」
《畏まりました》
枝については、いろいろと手を加えた後に植樹するという予定だった。
その最終工程に関しては、【救星者】である俺が必須らしいので後回しに。
だがそれ以外については、『SEBAS』がやっておいてくれる。
時間と手間が掛かるらしく、それだけで長期[クエスト]っぽい気がするよ。
「けどまあ、凄い長かった……んだよな? 正直、実感が無いな」
時間加速、元よりEHO内と現実とでは異なる時間の流れだった。
今回その格差が広がり、数十日経ったはずが現実では半日も経っていない。
脳への負担やら異常やら、あってもおかしくないのだがそれらも感じられなかった。
まあ、[ログアウト]すれば何かあるかもしれないな……怖いからまだできないが。
《旦那様、旦那様の現実の御体に変化はございませんでした》
「本当に大丈夫だったってことか?」
《はい。何度も行うのであればともかく、ある程度のスパンさえ設ければ、本来の脳の処理能力と『アーション』のスペックで対処できるのでしょう》
アーション、とはEHOをプレイするのに用いているVR機器のこと。
こちらもこちらで、医療用に使われていたということで安全性は確保されているのだ。
まあ、EHOは元より時間に追われた現代人に向けた時間加速付きのゲームとして売られているわけだし……うーん、体に害が無いなら便利な機能ぐらいの認識でいいのかな?
「……これから先、俺だけ置いて家族みんなでその時間加速付きのナニカに巻き込まれる可能性が無いわけじゃないのか。対策、あと自分でその状態を再現できるアイテムとか、用意しておくべきか」
じっけ……検証はタクマに有志を募ってもらえばいいだろう。
他の者より時間を加速し、強くなれるとでも謳えば何人か釣れるはずだしな。