複製検証
複製検証
要望書を出し、:DIY:は新たに素材の等価交換による複製能力を手に入れた。
アイスプルには等価となる素材の当てがたくさんあるので、リスク足り得ないのだ。
「割と上手くいったな……うん、全部が全部とはいかなかったが、固有種の素材でも条件次第で可能なのは喜ばしい」
さっそく検証し、結果はすでに出ている。
まず、ある意味当然だったのだが──等価交換ではまったくなかった。
ゲームでもよくあるが、どうやら等価の概念には付加価値でも付いているようで。
求められている、その分だけこちらが払うべき対価が増えているらしい。
まあつまり、同等のレア度と品質を持つアイテムを対価にしたとしても、その倍以上の量を用意しておかないと、複製は発動しないままなわけだ。
《旦那様、表計算が完了しました。投影を開始します》
網膜に投影されたその情報は、魔物の強さに応じた素材の必要量について纏めたもの。
レア度、品質、量などでどのような違いを見せたかが分かりやすく表示されている。
「ありがとう……うん、やっぱり天然素材だとあまり上手くいってないな。基本的には、魔物由来の方がいいってことなのか?」
《この仕様には、間違いなく失名神話の神々の意思が介入しています。そのうえで、そう考えるのが妥当かと》
もともと、:DIY:による素材創造能力には魔物の素材が含まれていない。
それはなぜなのか、だいぶ前から気になって確認してある。
詳細は教えてくれなかったものの、申し訳なさそうな印象だった。
加えて言うと、昔はできた……みたいな語りだったのをよく覚えている。
「いろんな要素が複雑に絡まってるな。ただの一ゲーマーが独りで呑み込んでおくには過多過ぎるんだよな」
《お任せください。旦那様の疑問、この『SEBAS』がすべて解消してみましょう》
「……人はこうやって、堕落していくんだとよく分かるよ。うん、俺も俺なりに考えてはみるけどさ」
全部をお任せ、というのはさすがにつまらないからな。
分からなくなったら調べる、俺は手詰まりな時は攻略サイトを見る派だし。
EHOについては、知っていると損する場合があるのでそうしない時もあるが。
一から百まで頼り切ることはしない、だが自分独りで何でもやる必要も無いからな。
「とりあえず、複製しまくった魔物の素材の処理も考えないと……使わないで解除したらこれ全部、丸ごと消えちゃうんだよな」
《はい。リソースはそのまま失名神話の神々の下へ届けられるので、まったくの無駄とはならないでしょうが……》
「さすがに俺の勿体ない精神が疼く……今まではできなかった分ことも、これからはできるわけだし。いろいろとやってみようか」
複製自体、神代魔道具を劣化再現したアイテムでこれまでもいちおうはできていた。
今回それでもそれを求めたのは、複製できなかったものも対象にできるから。
星樹の枝のように、どちらでも複製できない例外中の例外はともかく。
それらの使い分けを、『SEBAS』には任せるつもりだ。
「表を見る限り、レア素材は:DIY:で普通の素材なら魔道具って感じだな」
《素材以外にも対応している分、再現度合いに限界は生じますが、それでも普及している素材であれば問題無いでしょう》
「だな。まずは装備かな。俺はともかく、偽装大陸で売り捌く物なんかも作っておいた方がいいだろうし」
大量に必要になるであろう、商品となる武具などの準備もあまり進んでいない。
それらをパパっと済ませるためにも、チートな:DIY:様にご活躍してもらおうか。