違法侵入者 その03
違法侵入者 その03
俺が:DIY:込みで蘇生薬をばら撒いているとはいえ、原人たちを殺すというイカれた犯罪者も所属する闇クラン『DDD』。
彼らをここ『万戯華境』から追い出すためにも、念入りな準備を行わねばならない。
なんせ、彼らは指名手配されてもなおこうして活動できるだけの実力があるのだから。
「今回、注意するべきは大きく分けて二つだな。一つは依頼の要でもある『プログレス』の使い手、その排除。使われているヤツの特定はできたか?」
《申し訳ございません。推測はいくつかできましたが、特定は。直接干渉し、管理者権限で調べることは可能ですが、最低限彼らが仕込んでいるという目印を把握しない限りは、手を加えることはできないでしょう》
「……手っ取り早く、それでいてこっちの情報を隠せるいい方法だったんだがな。傍から見れば、何をしているか分からんやり方なわけだし。まあ、それについては後で考えておこう、見つければ何とかなる」
俺は『プログレス』の開発者、なればこそその管理者権限である程度の無法が可能だ。
今回のケースに当て嵌めるなら、ほぼ使用不可能な状態に追い込む……とかな。
すでに『騎士王』経由で、犯罪者たちを捕縛した際に『プログレス』の権能を著しく減衰させる魔道具は配布済み、つまり同等のことをしてもある程度は誤魔化せる。
まあ、昔の産物なので、現在のある程度成長した『プログレス』が相手となると、また更なる改良を加えた物が必要になるため、鼬ごっこのようになるのだがな。
「もう一つ、タクマから貰った有名なヤツの情報。最上位職にも就いているみたいで、かなり厄介らしいな。あと、断片的に『プログレス』っぽい情報も入っているな」
オンリーワンな擬似権能だが、世界にまったく同じ願望を持つ者が居ないと言い切れないのと同じで、少なくとも初期段階では似たようなモノになっている場合もある。
タクマが集めた情報は、そんな初期能力と思わしき部分。
結局、派生した厄介な能力が分からないため、普通は役に立たないが……俺は違う。
分からないのはその最初の部分、そこさえ分かれば管理者権限でどういった派生に至っているのかを調べ上げ、その使い手がどのような過程を経たのかまで特定可能だ。
うん、『プログレス』に使用規約なんてものは存在しないし、そもそも知られるのが嫌ならば使わなければいいのだ……運営側は、オリジナリティを売りに広めているけどな。
《それらの情報を基に、ある程度の絞り込みはできました》
「ああ、必要な時に教えてくれ……たぶん、全部聞いても理解できないし、致命的なアクションを取られたら、強制的に体の動かして何とかしてほしい」
《畏まりました》
一撃必殺、やら初見殺し……みたいな概念が『プログレス』になっている場合も多い。
そういったものは『SEBAS』に任せ、入れが何も知らない 体 てい で対応する。
これが意外と効く。
嘘を暴くスキルや魔道具などもあるため、情報戦の一環とも言えよう…………決して、覚えるのが面倒だから、とかじゃないぞ。