違法侵入者 その04
違法侵入者 その04
チート、というかほぼ犯罪行為。
管理者権限で『プログレス』やその他の情報を読み取り、メタ対策をするというもの。
なお、利用規約にその旨は書いてある。
『搭乗完了──創者様、ご武運を』
「まあ、今回は下見だしな。いろいろと仕込みはしてあるし、大丈夫だろう」
さっそく『DDD』が拠点としている辺りへ、エクリに憑依した状態で向かうことに。
すでにいくつか『プログレス』や 遺製具 レリック を使い、保険は用意してある。
具体的にはアレ、混沌勢の罠に嵌まった時に脱出するため使ったコンボ。
侵入者の彼らと違い、亜空の主の了承もあり準備は簡単にできた。
「今回は情報収集に徹したいし──正面から襲撃だな」
隠れ潜んでやることもできるのだが、そちらは『SEBAS』が代わりに行う。
ドローン経由で情報を集めている間、時間稼ぎをするのが俺の役割である。
というか、仮に俺が潜入しながらやろうとしても、あんまり役に立たないし。
役割をきちんと分けておいた方が、俺も楽しめ……こほんっ、気合が入るのだ。
◆ □ ◆ □ ◆
「『転移』成功──拠点ができていますね」
彼らは空を飛ぶ小島を一つ占拠し、そこに拠点を築いている。
なぜかそこの支配権は彼らに移っており、場所の把握はできても操れないとのこと。
まあ、彼女たちの権能ではそれらの支配まで対応していない。
この亜空そのものに対する支配権よりも、小島だけの絞った支配が上回ったのだろう。
「入り口には誰も居ない……ですが、防犯意識はあったようですね」
「おっ、本当にあのガキども以外の反応だったじゃねぇか……賭けは俺の勝ちな」
「チッ……ほらよっ。さっさとぶっ殺して戻るぞ!」
「そうカリカリすんなよ…………顔どころか何も分かんねぇタイプの偽装か、男か女かでまた賭けるか?」
現れたのは二人組、それなりにレベルは高いと鑑定スキルが教えてくれる。
かなり暇だったようで、俺が何者かで賭け事をして遊んでいるな。
「えーっと、初めまし──」
「死ね」
「……挨拶の途中でしたのに。何とも荒々しい方々ですね」
「おっ、接近戦OKなタイプ? なら少しは盛り上がりそうだな」
スキルを使い近づき、そのまま首を……という流れだったので、手の陰から『闇』で生成したナイフを以ってそれを受け止める。
不意打ち上等な片割れは、その対応にも嬉しそうに笑みを浮かべて後退する。
対する俺は今の一撃がどれほどのものだったのか、エクリの体に数値化してもらう。
「…………なんだ、見習いでしたか」
「あ゛?」
「いえいえ、こんなところで見張りをする程度の実力ということは分かりました。まあ、仕方ありません。弱小組織は人数不足手一杯でしょうから、貴方たち程度でもそれぐらいの仕事はできるという判断ですね」
「なあ、こいつ急に物凄くディスってきたんだけど……マジでぶっ殺したい」
「お前は実力を判断されたそう言われているだけマシだろ、俺なんて見てただけでそう判断されたんだぞ?」
「そちらの方も弱いのは十分に分かりますので、ご安心を。だって……そもそも見た目が弱そうですし、やられ役って感じですよ」
「「──よし、殺す」」
煽りはそこまで上手くないが、何とか興味は持ってもらえたようだ。
ウォーミングアップ、というか実力を見ておきたいので軽くやってみようか。