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違法侵入者 その18

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違法侵入者 その18

アイスプル 偽装大陸 偽装都市 イーケフ

非合法クラン『AAA』から、アイスプルに侵入者が来るとのこと。

せっかくの機会なので、世界守護の術式と固有種たちの努力の成果を見てみることに。

《転移門の強制活性を確認──来ます》

「招かれざる客人ですが」

「……ああ゛? なんだ、わざわざ先住民が出迎えかよ」

「品が無いですね。まあ、犯罪者の方々には相応しい立ち振る舞いとは思いますが」

「……挑発か? あんまりいい策とは思えないけどな。いちおう聞くけど、ここはイーケフとかいう都市であってるか?」

イーケフ、とは偽装都市では名称的に、アレだからという理由で付けた都市の名前だ。

一番最初に門を潜り現れた、荒くれのように振る舞う男はそれを知ったうえで来た。

挑発はしてみたが、さして響いていない。

先に一人、先遣隊としてでも顔を見せたのだろうか。

「ここにはお一人で?」

「すぐに来るけどな……ったく、あの時グー出してればなぁ」

「よく分かりませんが、見逃すわけにはいかないようですね──“ 氷位喪白 ■■■■ ”」

今の俺はエクリの体を借りず、俺本来の姿のまま相対している。

前回、『DDD』との戦闘は報告が行っているだろうからな。

分かりやすく闇属性の攻撃をするわけがなく、代わりに使うのは再現術式。

その声はエクリの機構の一つを使い、周囲に術式名を聞こえさせない。

名を広める必要は無い、彼女の出力があれば十二分に効力を発揮できる。

周囲の水分を操り、冷気を生み出し男の方へ届けた。

「氷系の術師ねぇ。まあ、何でもいいが……ここで揉めると後が詰まるからな──サクッと終わらせてやるよ」

「!」

男の周囲から瘴気が漂い出す。

そして地面を侵食し、やがてそこから這い上がってくる──無数のアンデッド。

そのうちの一体が禍々しい槍を手にしており、男はそれをもぎ取り装備する。

途端、更に過剰な量の瘴気が辺りを覆い、アンデッドの数が増えていく。

「そういう貴方は【死霊士】ですか……」

「系列はな……いや、まあ教えておいてやるよ。俺はデスロード、【死槍王】だ。お前も手駒にしてやるから、さっさと死ね」

俺は何重にも偽装を掛け、最低でも休人であることを分からないようにしている。

少なくとも、『騎士王』級の看破が無い限りはシステム的に把握することはできない。

なので目の前の男も勘違いする。

名称的に純粋な【死霊士】ではなく、あの槍を基軸とした特殊な職業なのだろう。

「ああそうだ、お前の名前は?」

「侵入者に名乗る名はございませんよ」

「面倒臭ぇ……」

「【死霊士】の中には、名前を掌握することが条件となる能力もありますしね。場の雰囲気で晒すことなどありえませんよ」

「チッ。まあアイツが来れば一発だし、さっさと排除するか」

瘴気が周囲を蝕んでいくため、俺も転移門から距離を取っていく。

それこそが男の目的、戦闘行為が繰り広げられている間は転移門は使えない。

なので場所を確保し、誰も入れないようにしてから仲間を招き入れる。

その役割を果たそうとしているのだ──実のところ、邪魔をする気は無いんだけどな。