違法侵入者 その21
違法侵入者 その21
首を刎ねられたので、呪殺した俺です。
死んで逃げられるのは御免だったので、一時的に復活できなくなるよう『デッドタナトス』で封じておきました。
そもそもの話、俺に暗殺はほぼ不可能。
殺意や敵意だけでなく、俺を殺しうるものがあれば自動的に警鐘が鳴って教えてくれるので……そして、森羅万象がその対象だ。
死んでも死なない『(超越)生者』だし、せっかくだからとやってみました。
ちなみに、彼女が隠れるのに使っていたのは何と──『インビジブルクローク』。
俺もよくお世話になっている、少々特殊な隠蔽能力を秘めた『プログレス』。
今回の経験を活かし、俺を超えられるような能力に目覚めてくれると嬉しいな。
「──さて、時間稼ぎは双方もういい頃合いではありませんか?」
「……気づいてたのかよ」
「先ほどの方が来た時点で、目的は達しているのでしょう? 他の方々も、きちんとどこかに居ますよ」
「つまりなんだ? 転送先を弄ったってことかよ……」
「正解です。おそらく、貴方たち同様に歓迎されていることでしょう。きっと、楽しんでいるはずです」
あの娘に関しては、こちらが気づけなかったのでそれができなかった。
だがそれ以外の連中については、それぞれ住民が待つ場所に飛ばすことができている。
まあ、出迎えからすぐ 超越/災凶種 ボスきゅう に遭遇するなんて思っても無いよな。
彼だけは申し訳ないが、俺の歓迎で我慢してもらおう。
「それはどうでもいい、それよりアイツはどうなってやがる……リスポーンは、できてないんだよな?」
「リスポーン……貴方がたで言うところの復活ですね。先ほどの技は、対象の魂を擬似的に保有することができます。御覧の通り。触れたところで感触はありませんし、知人によれば白い空間に向かうとのことですよ」
「…………さっきからよぉ、その気持ち悪いロールプレイはなんだ? 視えてんだよ、プレイヤーだって証拠がよ」
「貫くことに意味がある、そういうものもございますよ。それに、そう深い間柄でも無いのですから……ねぇ、デスロードさん?」
職業能力や一部のスキルを使えば、対象が休人か原人かを見極めることができる。
俺は何重にも偽装を重ねて誤魔化しているのだが、それを突破したようだ。
別にバレてもいいのだが、教えた通り貫くことに意味がある……と思いたい。
それよりも、彼は速めに処理しておかないと後々面倒だし、終わらせるとしよう。
「──というわけで、こちら」
「! お、お前……それ!」
「おや、既存プレイ派ですか?」
「滅茶苦茶やり込んでる!」
使う予定は無かったが、バレたので使ってみたのはゴツい拳銃。
ソシャゲとのコラボイベントで得た、設計図から作り上げられたアレンジ武器。
名は『獣星砲ビースター』、専用の宝石を弾丸にして放つ特注品だ。
目を輝かせながらも、全力で防御を固めるデスロードの予想通り超高火力を誇る。
「最期に何か、言い残すことは?」
「……せめて隠す職業は一つに絞れよ」
「貴重なご意見、ありがとうございます」
引き金を引けば、弾丸──砲弾は飛ぶ。
獣の咆哮染みた音が響き、デスロードは死亡──大鎌が振るわれ、俺が持つ魂の数が増えるのだった。