違法侵入者 その23
違法侵入者 その23
放送設備を用いた一方的な通告。
それに応えたのか、四人が住民たちを突破して俺の下まで辿り着いた。
その中の一人は、他ならぬ『AAA』のクランリーダーである自称『カルマ』。
何やら不確定な要素が多いのだが、それは後から調べていけばいいだろう。
「こほんっ、謝罪ですか……罪、それを知ってなお貴方がたはこちらへ乗り込んできた。失礼ですが、その目的は?」
「新規拠点の確保、あとは……そう、観光ですね。ウワサに聞く未知の世界に、足を踏み入れたかったんですよ」
「それはそれは、何とも……光栄なように思えますし、嘆きたくもあります。少なくともここは、罪人をただ追い返す場所ではありません。正規の手続きを踏み、来ていただければ歓迎はしましたが、今回は別です」
指を鳴らせば、周囲に“ 災星護界 ターディナ ”から成る亀の擬似生物たちがずらりと並ぶ。
すでに最大限の警戒レベルなので、その気になればいつでも鎮圧可能だ。
残る三人は武器を構える、術式を展開するなどして彼らに備えだす。
しかしカルマだけはそのようなことはしないまま、ただこちらをじっと見続ける。
「おや、そのままでよろしいので?」
「非礼は詫びる、けどここはゲームなんだ。たとえ、こちらの世界の住民が息づいていたとしても、私たちにとってはそれ以上でもそれ以下でもない。どれだけ凄惨に死んでも蘇る私たちは、無法の化け物に変わりない」
「…………」
「だけどそれでも、仲間が奪われた以上このまま黙って捕まりたくはない。彼らを解放してくれれば、こちらも最低限の抵抗で済ませてここを去ろう」
「……えっと、話がよく分かりません。とりあえず、目的は人質の解放ですか?」
「ついでにこちらに拠点が欲しい」
あ、厚かましい! 物凄く厚かましいよ!
というか何サラッと追加要求して、犯罪組織のセーフハウスを作ろうとしてるの!?
「抵抗、なさるのですか……そうですか。こちらとしても、穏便に済ませたかったのですが仕方ありません」
「では、受け入れてくれると?」
「いやダメですからね、この流れでそうなるわけが無いじゃないですか」
「そうか……それは残念だ」
天然、天然なのかこいつは?
念のため残る三人の面々を見……ようとしたのだが、誰一人としてこちらと顔を合わせてくれない。
話が通じないわけじゃないだろう、だが我が強過ぎる。
まあいいか、正当性はこちらにある──多少強引にでも事を進めよう。
「捕縛しなさい」
『りょーかいです! 総員、掛かれー!!』
『『『『『『『『おー!!』』』』』』』』
「ならばこちらも抵抗するのみ。皆さん、二人を助けるためにも行動あるのみ!」
そんなこんなで、アイスプル勢VS『AAA』の最終決戦が幕を開くのだった。
──『AAA』の最高戦力カルマ、その真の実力とは如何ほどなのか。