守護星獣 中篇
守護星獣 中篇
アイスプル 永久の楽園 派生 再生の間
アイスプルの守護獣である星獣エンキ。
未だ幼体であるがゆえに、本格的な使命を果たしたことのない彼の今の実力を見るために、いろいろと試験をしてみることに。
「──と、いうわけでここ『再生の間』でいくつかテストをしてもらおう」
『クキュ!』
家族が提案した様々な迷宮の複合施設。
中でも再生の間は、過去に戦った相手と擬似的に再戦することができる部屋。
再現可能なモノに限度もあるが、そこは追加でリソースを注ぎ込めば大抵は可能だ。
……最初からそんなに負担が掛かる相手は用意しないが、最終的にはな?
「相手は俺が用意する。エンキはそれをどうにかして追い払えればいい。もちろん、倒してもいいけどな」
『キュウ!』
「よしよし、それじゃあ始めるぞ──まずはこいつだ!」
部屋の奥に置かれた秘石に触れると、触れた者の戦績を読み込む。
分かりやすく視覚化された、通常リソース内で再現可能な対象をリストから確認。
そして、選択する。
部屋の中央に陣が編み込まれ、そこから対象が出現──灼熱の烈風が吹き荒れ、周囲がドロドロに熔けてマグマと化す。
「イベントで戦ったマグマのネズミさんだ。何回か接触したし、素材を培養して複製魔獣も作ったから再現度合いも高めになっていてちょうど良かったよ」
『……魔獣。本当に遭遇していたか』
「よく生き残ったな、とか倒したな的なことは言わないんだな」
『…………死なぬ貴様にいちいち問う必要もあるまい。ふむ、どれぐらい強いのか?』
「まあ、だいたい特殊な生存タイプばっかりだったからな。それを攻略する知識が必要になるんだよ……逆に言えば、それができるならちょっと弱いぐらいになるかな?」
特殊耐久サバイバル部門を振り返れば、現れた魔獣たちには何かしらのギミックが存在していた。
その顕著たる例が今回再現したマグマのネズミ──マグマが尽きぬ限り死なない、そして存在する限り周囲をマグマへと塗り替えていくので、短期戦必須な魔獣だ。
「それじゃあ、始め!」
『キュゥウウウ!!』
「……おおっ」
星獣はその身に星気を宿している。
その性質は万能、使い手が望む限りどんな事象であろうとも、星に再現可能なモノであれば体現可能なチートエネルギーだ。
そして、星の守護獣であるエンキはそれを星からいくらでも貰い受けることができる。
エンキもまた、それを用いることで爆発的な推進力と身体能力を獲得。
ネズミも行動を取ろうとするが、それよりも速くエンキの一撃が炸裂。
マグマはすべて吹き飛び、宙に跳ね上げられた哀れなネズミはその爪に引き裂かれる。
「……一撃」
『ふむ、なかなかに洗練されているな』
『クキュー!』
『戦闘経験は豊富だからな。民たちと戦った分だけそれらも高められている。素晴らしいぞ、エンキよ』
『キュ!』
レベルは低いエンキ、だがその身に宿す星気だけで大抵のことは何とかなってしまう。
そのうえで、戦闘を繰り返すことで得た経験値が技巧面を高めてくれている。
相手は超格上である超越種や災凶種、またそれに匹敵する擬似権能持ちなど。
そりゃあ強くもなる、それを一戦目からよく分かったよ。