守護星獣 後篇
守護星獣 後篇
エンキをテストすることになった初戦、劣化版とはいえ魔獣をワンパンしていた。
星の恩恵を十全に受け取れる守護獣、たとえレベルは低くともスペックが段違いだ。
「えー、結果を発表します」
『……クキュ』
あれから魔獣だけでなく思いつく限り、たくさんの敵を用意した。
中には『逸脱者(超劣化版)』も含まれていたが、エンキはそれすらも倒している。
神妙な顔つき(?)で俺の発表を待つ。
そんなエンキに告げる内容は──
「──脳筋です」
『クーキュ』
全然驚かないエンキ。
何というか、ふーん……ぐらいの反応しかしていないんだが?
万能属性である星気を身に纏い、用意した敵すべてに叩きつける。
そんな王道パターンを繰り返したエンキには、こういった評価を与えるしかない。
ギミック攻略が必須な敵も用意したが、やはり星気が強過ぎた。
何回か試行錯誤(事象を変えるだけ)すれば、大抵は突破できてしまうからな。
『…………民たちと共に経験を積んでいるのだ、それが普通だと思っているのだろう』
「アイツら、能力値が低いヤツ以外は基本的にごり押しだもんな」
超越種も災凶種も、そして『プログレス』持ちの個体も各々に適した能力を必ず有している……のだが、基本的にそれらは使われることなく、だいたい肉弾戦が行われる。
たまに使うぐらいで、あとは能力値が劣る側が補助として使用するぐらい。
とにもかくにも、脳筋集団はそれをコミュニケーションとでも思っているようだ。
彼らと共に研鑽し続けた結果、そんな脳筋思考が移ってしまったのかもしれない。
……なまじソレが可能なスペックを、エンキも持っていたからこそである。
「いやまあ、お陰で技巧についてはかなりの熟練が見られるからいいんだけど……対侵入者用の能力なんかも、きちんと扱えるようにならないとな」
『クキュ?』
「今は幼体だから完全には使えないんだが、能力を封じるとか一時的に爆発的に身体機能の強化ができるとか……いろいろとあるらしいぞ。ただし、お勉強が必要だがな」
『キュ!?』
むやみやたらに振り回すと、体の方に悪影響が出るという厄介極まりない能力。
星獣の基本スペックだというそれらを、風兎から今後学んでいってもらうとしよう。
『……とはいえ、我は森獣上がりだからか完全には扱い切れない。やはり、重要な部分は自ら学ぶしかなかろう』
「試す相手ならいくらでも用意できるし、そこはまあ頑張ってもらうしかないか……でもそれは後の話、今日頑張った分だけご褒美があるぞ、エンキ」
『クキュー!』
まだまだ子供であるエンキに、無茶をさせるつもりは無い。
一先ずは疲れを取るためにも、用意しておいた食べ物でお祝いといこうか。