天界外周調査 その03
天界外周調査 その03
残骸に触れ、:DIY:で分かったことは俺の知らない技術が使われている事実。
いづれは手放すつもりなので、出来る技術は多い方がいい。
ならば情報が必要だ、残骸を触れているだけでは分かることには限度がある。
──それを知っているであろう視線の主から、何か手掛かりを得なければ。
「……ふぅ、今回はこれぐらいにしておきましょうか」
腕を上に伸ばし、一仕事終えたといった空気を作る。
今なお視線は俺を殺している、多少は油断させておかなければならない。
それから転移門の方へ向かい、門を起動。
冒険世界へ繋がる道を用意し、周囲を軽く見渡す。
視線の主は何もしない。
許可の無い者が強引に通り抜けることはできないし、壊すこともできない……それでも殺意だけは強くなっていた。
「──また来ましょう、次こそは何かを見つけたいものです」
《──起動します》
そして、そのまま転移門を潜った……ように見せ、閃光装置がエフェクトを展開。
その一瞬の間に、『プログレス:インビジブルクローク』を纏い姿を消す。
あたかも転移したかのように演出し、視線の主を騙した。
数分の時が経過、俺の再出現が無いことを理解して隠れていたその姿を現す。
「……行ったか?」
視線の主は突如、被っていた外套を脱いだ状態でこの場に姿を出した。
その場に居たはずなのに認識できない、それはまるで今の俺と同じように。
視線、もとい死線とドローンによる観測が無ければ気づくことはできなかった。
その外套に秘密があるのだろうが、今は調べられない……『見』に徹しておこう。
「それにしてもまた来るのかよ、アイツ。あの時殺したはずなのにピンピンとしてやがるし、本当何なんだよ……」
今回手を出さなかったのは、俺が一度目に来た際に死んだと思っていたからのようだ。
休人を知っていれば普通に思ったはず……つまり、まだその情報を持っていない。
少なくとも神々、そして英雄たちであれば把握している。
それが伝わっていないのは、民だからなのか……ここに居るからなのか。
「まあいいや、次来たら今度こそ……ここに居座られてたまるもんか」
再び外套を被ると、その姿は再び空気に溶けるように消えていく。
俺への殺意も消えているため、もう俺が彼の居場所を特定することはできない。
《──『SEBAS』》
《マーキング済みですので、追跡可能です》
《少しして、距離を取ってから追いかけるとしよう。マーカーに気づく可能性も考えて、別動隊も頼むぞ》
《畏まりました》
狙う者は狙われる。
先ほどまで姿を隠し俺を見ていた少年を、今度は俺が姿を隠し追いかけていく──それじゃあ、スニーキングミッション開始だ。