錬金チャレンジ その02
錬金チャレンジ その02
情報収集のため訪れた『錬金王』たちのアトリエにて、なぜか(一部の偏った)休人たちが求める人造人間の製造に関して協力させられることに。
「とはいえ、どのような方法で? 素材に関してはいくらでも協力しますが……」
「頼もしいな。前に作った、錬金術を即興で行えるインスタントシールを覚えているだろう? アレに錬産術を交えれば、できるという結果が出てな」
そう言って彼女が示すのは翡翠色の石板。
彼女の『プログレス:アルケミアタブレット』には、これまでに彼女が錬金術で得た情報のすべてが保存されている。
そして擬似権能により、偶発的だったものであろうと、ある程度の確率操作によって意図して引き起こすことができるという生産職垂涎の効果を持っていた。
どうやら成長した結果、これまでの情報を基にシミュレーションまでできるらしい。
……おまけにそちらもまた、確率操作で引き起こしやすくなるのだからチートだよ。
「問題は素材だ。いづれは誰でも簡単に造れるようにしたいが、まだそれは尚早だろう。ある程度質の高いものを用意して、それを核とするつもりだ」
「具体的にどういったものを?」
「……ああ、これだ」
なぜか、予め用意されていたメモ書きを受け取り中身を確認。
……分かりやすく説明するなら、だいたい前のイベントで遭遇した魔獣級の個体だ。
「核となる部分を創るには、それぐらいは必要だ……イケるか?」
「あの、今この場にそれに匹敵する素材はありますか?」
「足りないぞ? ……ユリル、残っていたものを持ってきてくれ」
「問題ありません……見ててください」
「も、持ってきました!」
何だかおつかい系の[クエスト]が発生しそうだったが、その対象が鬼畜難易度なので裏技を使わせてもらおう。
俺は:DIY:の発現を宣誓し、能力値を極限まで高める──がそちらはおまけ。
もともと存在する天然素材の創造能力、そこから派生した力を発動する。
指定するのはユリルが『 魔法鞄 マジックバック 』から取り出した魔獣の素材群。
これらは『超越者』たちと、取引をして手に入れていたらしい。
「それを──こうします」
「……ほぉ」
「えぇ!?」
彼女たちの目の前には、たった一つしか無かった素材が二つある光景が。
そしてそれが三つ、四つとどんどん増えていった。
「等価交換……なわけがあるまい。これはどういう理屈だ?」
「単純な対価交換です。相応の価値を見出せる品を捧げ、この場に限り素材を増やすことができます……能力を解除すると、加工していない物はすべて消失します」
「成立はしているわけだ……なるほど。ならば、さっそく始めるべきか──ユリル、補助は任せてもいいな?」
「わ、分かりました!」
「何を使っているかは聞かないでおこう。そちらは任せたぞ」
俺が素材以上に、価値のあるものを捧げていることを分かっているのだろう。
そう言った彼女からは、少しだけ笑みが零れている。
まあ、こちらとしても溜まっていた素材を消費できるからいいんだけど。
……うちの住民から採れる素材、門外不出なので滅茶苦茶余るんだよ。