錬金チャレンジ その06
錬金チャレンジ その06
かつて、大衆の認識によって禁忌となっていた人造人間の製造で裁きを受けた元『錬金王』……だが今であれば、休人たちのあれやこれやでその辺は緩和していると思われる。
そして、もう一つ──『プログレス』。
独自性を発揮する擬似権能の普及は、これまでの常識を覆すだけの存在感を発揮し、禁忌を打ち破る一助となるだろう。
「さて、作業再開ですね……まずはそうですね、思うが儘に試してみてください」
「えっと……レシピは?」
「素材は足りますので、ある程度は沿いつつもやれるだけやってみましょう。今必要なのは、教科書通りの正解ではありません。その過程がどうなっているのか、それを自分で考えることが大切なのです」
「や、やってみます!」
ユリルに作業を促しつつ、:DIY:でその様子をじっくりと観察する。
今回求められているのは、人造人間を誰でもお手軽に作れる環境を整えること。
今は製造を確実に可能とする状態をにしているが、工程の様々な個所に手を加えていきコストや難易度を抑えていく必要がある。
最終的には錬成陣、魔力を籠めればそれだけで出来上がるというのが理想だが……さすがにそれは難しい。
なので今は不可能にせよ、そこに可能な限り近づけるにはどうすればいいのか、それをユリルの作業工程を確認しつつ、:DIY:で検索しているのが現状だ。
「やはり簡略化は難しいですね……少なくとも、ユリルさんと同等レベルは確実に」
「当たり前だ。ユリルは私の最高傑作、そう易々と超えられて堪るか」
「師匠様……!」
「ええ、それは承知していますよ……そうですね、魂の無い器のみということであれば、いちおう可能でしょう。知識頼りですが、その辺は『錬金王』さんにお任せしても?」
「……できるのか?」
「ごり押しですが。簡易、使い切り、質度外視と問題は多々ありますので、よろしくお願いします」
神話において、土塊から人は作られたという伝承が存在する。
神聖術式の中にも、そうして地面から当たり判定のある偽物を生むモノがあった。
それを人々が受け入れている以上、神の所業なら……的な認識自体はある。
あとは認識をでっち上げ、魂のある──生きている存在、でなければ引っかからない。
「仮組みですが──“科法錬産・偽人”」
人を構成する物質、古来より地球でも調べられてきた成分を『SEBAS』が取り寄せ錬産術に反映。
科学を基にした“科法錬産”、これは職業【科学者】系統が可能とした物理法則に一部準じた生産技術の確立を、錬金術へ組み込むことに成功した新たな錬産術。
まあ、詳細はそれを成した元『錬金王』から聞いたものの、正直よく分からなかった。
纏めてくれた『SEBAS』の話を聞いても、さっきの内容ぐらいの認識だし。
要は必要な成分を集めて、物質を構築できるものなんだとか。
陣の上で無数の化合物が生み出され、それが収束していく。
「……人だな」
「あわわ……」
「…………コストの問題ですね」
やがて、そこにはどこからどう見ても目を閉じているだけの人間が現れた。
──衣服を纏わない、凹凸の無い体を曝け出した子供の姿で。