錬金チャレンジ その13
錬金チャレンジ その13
生産ギルドに、人造人間のお手軽錬成ができるようになったと報告。
なお、連絡も相談もしていないので、一方的な感じになってしまったな。
「契約書付きだから、問題が起こる可能性も著しく減った。あとはまあ、数量限定で揉める点をどうにか休人同士で納得してくれればいいんだがな……」
現在、生産ギルドには錬成陣を求める多くの休人たちの姿が。
……原人たちが居ないのは、ひとえに忌避の意識がまだ強いからなのだろう。
アレから準備を整え、専用のカウンターを用意してもらってそこで錬成陣を売り捌く。
その背後には大きく、『使用契約が必須です』と書かれている。
人員は借りず、俺が普段やっているようにサポートドールによる販売だ。
ここで人造人間を使ってもいいのだが……あえて、人形らしい見た目の彼らを使う。
「当然、なんで人造人間じゃないんだってクレームも混ざるわけだが……うん、買ってからのお楽しみだ」
《売り子をする人造人間を視ることで、多くの情報を盗られる可能性もございますし、旦那様の選択は正しかったです》
「休人はその情報伝達の速さこそが優れた点だ。こういうタイプは秘匿するより開示して自慢する方がアイツらの証人欲求を満たすだろうし、一つでも売れればそれだけで連鎖的に意欲を煽れるだろう」
早急に契約書を大して見もせずに眺め、サインした休人がさっそく錬成陣を購入。
すると、この場から即座に立ち去りどこかへ向かう。
それを皮切りにどんどん錬成陣が購入されていき、契約者も増えていく。
だがそれは一部の者だけ、大半はそれらを眺め何かを待っていた。
「ある程度、必要な素材についてはタクマ経由で[掲示板]にばら撒いてもらってある。かなりガチの情報、わざわざそこまでして偽の情報を出すか、という考えがまず先行者たちを動かした」
可能な限り必要な素材の質と量は抑えられたものの、それでも集めるのは大変だっただろう……市場からそれらがごっそりと減ったらしく、後戻りできないというのもある。
残っている連中はそうして素材を用意できなかったのか、疑り深く先ほどの連中が本物だったか……正しくは、自らが求める域に達しているかを待っている。
そもそもギルドが公認で販売している以上は、最低限詐欺で無いことは保証済み。
なので重要なのは──ただ人造人間、というだけでなく理想を追求できるか、である。
「ッ!? ──契約します!」「待て、まずは情報の真偽を……」「そんなの後! 俺の嫁が待ってるんだよ!!」「くくっ、始まるな……宴が!」
そして、[掲示板]に新たなスレが立つ。
一番目に表示されたアカウントが貼り付けた画像──そこには西洋風の金髪美少女が、可愛らしく微笑む姿があった。