錬金チャレンジ その23
錬金チャレンジ その23
一回戦、見た目対決は肯定派の勝利。
アンドロイド風や死霊憑依系な死んだ目の否定派の人造人間、あちらもあちらで需要が無いわけでは無いのだが……。
やはり擬似魂を宿し、キラキラしたアイドルみたいな感じに振る舞う肯定派の人造人間は多くの者たちを惹きつけていたな。
「──そして二つ目のお題、技量は否定派の勝利に終わったね」
「……ええ。擬似魂の優れた点がその感情表現の豊かさであるとすれば、規定通りの動作はやはり否定派の技術が上回っていたということでしょう」
特段語ることも無く、俺たちのこの会話だけで流れが分かってしまう第二の品評。
まさしくロボットの如く、精確無比な動きで設けられた課題を達成していった否定派。
結果両者が一つずつ勝ち星を得る結果に。
つまり、彼らの勝敗を決するのは最後の品評──戦闘で決まるわけだ。
「それじゃあ、これで最後だ」
「お題は戦闘、お互いに一人ずつ代表となる人造人間を出していただきまして、五分間の模擬戦をしてもらいます。その試合結果、及びその内容に観客たちが投票を行います」
「勝敗は重要だが、同時にどう魅せるかも重要になるわけだね……だが、それなら見た目の審査と同時で良かったのでは?」
「闘争において、表れるものがある……ということですね。それは人造人間たちだけでなく、その主である肯定派と否定派もまた同様です。観客の方々には、そちらの方も見ていただけると幸いです」
自分たちの人造人間が、これまでと違い害される可能性のある戦闘。
それ用に準備してもらった個体と言えど、やはりクるものはあるだろう。
それらも含め、観客たちは見る。
人造人間たちに対する反応、それは肯定派と否定派だけでなく、観客たちのものも今回調べていた。
生産世界はいろいろと先進的で、考え方も割と新しいものに対して寛容だ。
それでもこれまでの認識、意識がまったく無いわけではない。
「──それで、君はどう思うかな?」
「はっきり言いましょう。これが数日後、数週間後であれば肯定派の圧勝です」
「ほぅ、その理由は?」
「単純な話です──擬似魂を搭載した人造人間は、種族レベルと職業レベルの双方を伸ばすことができます。対して、否定派の人造人間ではそれができません」
「従来の人造人間は、レベルを上げられないという弊害があったね。意思、害した際に糧とする思念が重要だという仮説があったね。そちらにはまだ手を付けていなかったよ」
だが擬似魂を持つ人造人間には自らの意思があり、その条件を満たすことができる。
しかし否定派の人造人間の場合、死霊憑きは可能でもアンドロイドの方は満たせない。
また、死霊憑きの人造人間も正確に言えばレベルが上がるのは死霊の方で、人造人間ではないんだよな。
──なお、【人形師】のレベリングが上手くいかないのもこの辺が理由だったりする。
俺たちは『ハートギア』があるからこそ、その常識を打ち破れたのだ。