ムー襲来対策 後篇
ムー襲来対策 後篇
現実 リビング
各世界や逸脱者たちの思惑がある中でも、休人たちは好き勝手していいらしい。
ならば、と俺が選んだのは──星に封じていた固有種たちの解放だった。
「──えー、EHO新イベント開催を記念しまして、本日よりアイスプルの『冒険の間』が常時解放されるようになりました」
「「「…………」」」
「アップデートの結果、新規固有種が出現するようになりました。皆さん、挙って探してみてくださいね」
「ゲームの新規コンテンツ?」
イベント前、何をしているのかある程度情報共有を行っている俺たちだが、今回は俺の持ち込んだ重大発表をお届けする。
ギーフに伝え、『SEBAS』と準備を整えた『冒険の間』。
1000階層から成る大迷宮の中に、新たに固有種たちが新規導入した。
基本的には、下の方へ適当に配置。
時折迷い込む形で上の方に転移させたりして、挑戦者たちに接触させる……勝てるかどうかは別としてな。
「あと、三人にはあとで転送で届けることになるんだが、『冒険の間』に直通で行くことができる専用ポータルを準備した。これは三人だけじゃなく、みんなが承認した相手なら誰でも来れるようにしてあるぞ」
「なら、騎士団の子たちも来れるの?」
「翔のパーティーメンバーもそうだし、マイが育命世界で在ったっていう魔物の仔でも大丈夫だぞ。まあ、いろいろと仕込みはあるから、気にせず使ってくれ」
「ありがとう、父さん」
未だ完全解放はされていない、育命世界。
どうやらその鍵は、幼子の星獣……うちのエンキとは別の理由で育っていない、その個体の成長が星の解放に繋がるらしい。
「まあ、イベントも始まるからそんなに潜れないだろう。さすがに浅い階層には配置していないし、今回は発表だけだな」
「あら、いいの? それなら、騎士団の子たちも張り切ってくれるわね」
「前に来てもらった時に比べて、他の人が使えるようにいろいろ改装してあるからな。イベントが終わったら、みんなぜひ来てくれ」
と、ここまでが俺からの報告。
家族の面々も、各々がやってきたこととこれからのことを話してくれる。
「──俺のパーティーはもうイベント世界で待機中。出現予測地で防衛してる」
「私はまだ。でもイベントが始まったら、戦闘職向けの方でうちの子たちに闘ってもらうつもり」
「私は翔と同じで防衛の準備ね。支援物資とかを運んで、配っているところよ」
「前にも言った通り、迷宮の準備であんまり何もやれませんでした……でも、イベント中はあちこち転々とする予定だな」
そんなこんなで、やることも話し合った。
間もなくイベントも始まる──今回も、誰かしら大きなことをやらかすんだろうな。