ムー襲来イベント前篇 その08
ムー襲来イベント前篇 その08
戦況はあまりよろしくない。
特定の手段でしか軍艦に対処できず、多くの者が対処的な行動しかできないでいる。
攻略の鍵となるのは、今はまだ出陣していない逸脱した連中。
ここに居る、擬似星剣を造れる『超越者:造鎚』もその一人だ。
「出陣のご予定は?」
『いや、ねぇな……無かった、な。ああいうガキも来てるんだろう? さすがに、野放しにはできなくなっちまったからな』
「それは心強い……! 何かご必要なものがあれば、ご用意しますよ?」
『あるだけ用意してくれ。あんまりヤバいヤツは出せねぇからな、量でごり押す』
「畏まりました」
彼の権能は素材有りきのもの。
最悪何も無くとも地面を媒介に使えるのだが、さすがに質が最低限となってしまう。
バリアを破壊する、それぐらいのスペックは確保しなければならない。
なので『造鎚』は俺に、リソース確保用の素材を要求したわけだ。
こんなこともあろうかと、インゴットにした鉱石を大量に持ってきている。
予め『 収納箱 アイテムボックス 』に突っ込んであったそれを取り出し、『造鎚』に渡す。
「大半はこれまで通りですが、もしもに備えて高純度の物を入れてあります。サービスですので、存分に使ってください」
『おう、助かる。これなら……イケるか』
「休人たちが根を上げましたら、手助けしてあげてください。途中で手を出すと、だいたい難癖をつけてきますので」
『威勢のいい連中だしな、まあ分かった』
イベント的に言うなら、迷い人への正しい対応ができれば、逸脱した連中の参入が早まるのだろう。
あくまで、早まるで絶対に来ないということはないと思われる。
なんせ、この星の危機をどうにかしないことは、星同士の約定に反するわけだからな。
◆ □ ◆ □ ◆
それからの俺は、いくつかの隠れ里を回りイベント以降の変化を確認していった。
どうやら誰も迷い込んでいなかったみたいで、変化について俺に聞いてきたぐらいだ。
これを機に、まだ行ったことの無い場所にも……と思ったが、そうも言ってはいられなくなりつつあった。
「うーん、アレってどういう状況なんだ?」
《おそらく、陽素に関するチュートリアルのようなものではないでしょうか? ムー世界最大の特徴とも言える万能エネルギー、その力の一端を示すためでしょう》
「示し合わせるように、軍艦の方も攻撃に使いだしたしな……第二フェイズに突入したってことか?」
軍は攻撃のために陽素を、そして姫様の方は──船の故障で陽素が暴走して。
それぞれ異なる理由でだが、陽素を使いだし休人たちに説明を行ったのだ。