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ムー襲来イベント前篇 その11

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ムー襲来イベント前篇 その11

幻覚を使い、その隙に闇を生み出しバリアの無力化を図り船に侵入。

そんなスマートな計画を目論んでいた……のだが、想定外の事態が発生。

どうやら、ムー世界の人々は光の無い暗黒空間に酷く耐性を持たないようで。

軍人たちが恐慌状態に走った船に、俺はそそくさと潜り込むことになった。

「……皆さんは、悪用しないでくださいね」

これまでも闇属性の攻撃程度なら、何度も行われていただろう。

しかしその規模はそこまでではなく、露呈には繋がらなかった。

これがもし、戦闘ギミックの一つだというならえげつない。

使えば使うほど、評価が下がっていく……みたいな形ではなかろうか。

「潜入成功、あとはこのまま透過を…………使えませんね。正々堂々、スニーキングに成功しろということですか」

船内に入った瞬間、『プログレス:インビジブルクローク』の効果が解除された。

理由は不明、再起動を試みるがクールタイムとは別の要因で発動できないようだ。

「まあ、“ 孤絶ノ衣 ウツロナルマトイ ”はまだ発動したままなので、すぐには分からないでしょうが……というか、なぜこれだけ?」

《やはり、『騎士王』が編んだ術式だからでしょう。いついかなる時も、旦那様が死に戻りすることを想定した仕様となっておりますので、一時的な妨害を受けても供給がある限りは使えるようになっていると思われます》

ネーミングセンスがアレな点を除き、万能に等しい才能の持ち主『騎士王』。

そんな彼女に開発を依頼し、作ってもらったのが存在遮断術式“孤絶ノ衣”。

正確に言えば隠蔽ではなく、自らの存在を世界から絶つ偽装に近い。

世界…………ふむ、その辺が使えている理由の一つかもしれないな。

◆   □   ◆   □   ◆

軍艦 艦内

しばらくして、少しずつ彼らも精神状態を回復させ攻撃を再開し始めた。

ただ、やはり再び同じことが起きることは警戒しているようで、必死の形相だ。

「インストール──『イッスンボウシ』、意外とこれも上手くいくんですよね」

人はいちいち足元など注視しない。

死角ではない、それでも意識の外側にあるので気づけないのだ……目に入っているからこそ、見たつもりになってしまう。

問題は小さくなると、その分だけ移動時間が伸びてしまう。

ただでさえAGIの関係で動きがとろい俺なので、目的地の到達まで時間が掛かる。

「なのでこちら──『フロートディスク』、ある意味定番のアイテムですね」

取り出した円盤型の装置は、移動に特化したサポートアイテムだ。

発想自体はあったものの、これまでは作れないでいた代物。

だが、それを解決する情報が手に入った。

それは『星宝級職人:忌創展外』……というより【超科学者】から得られる既存の科学技術を凌駕する技術の根本。

生産世界で取り出された武装だけでなく、補助用のアイテムもまたレシピとして登録されていた……その横流しこそ、彼女と交わした契約の一つである。