ムー襲来イベント前篇 その23
ムー襲来イベント前篇 その23
WITHシステムの発展版について、検証などを行った。
まだまだ『プログレス』には可能性があることに気づき、俺も高みを目指すことに。
必要なのは星々に眠る高純度の理の塊。
それらを組み合わせて出来上がる宝石を使えば、今はインストールできない高レベルの『プログレス』を拝借することができる。
「……とはいえ、現状は一般『プログレス』もいつか使えなくなる状態なんだよな」
《レベルが向上すればするほど、擬似権能として使用している枠やリソース量が増大しておりますので。:DIY:を用いた高純度星宝石でも、計算ではレベル7以上には耐えられません》
レベル制が導入されている『プログレス』だが、現状では5が最大となっている。
……例外として、マスター級だけはいきなり10だったりするんだけどな。
レベルの大小はそのまま、力の強弱を意味している。
相性などで勝敗に差はあっても、純粋なエネルギーの内包量はレベル差だ。
「そういうのを突破する手段としても、WITHシステムとかいろいろと使えるのがいいのかもしれないな…………レベルも中級である6を卒業するヤツがそろそろ出るかもしれないし、アレを導入しようか」
《もしや、『RS』を?》
「中級を超えればレベル7、枠自体はもうかなり拡張されているだろう。そこまでやってきて、それでも自分の『プログレス』に不満がある奴なら……動くんじゃないか?」
自らの深層に眠る願望を汲み取り、擬似権能とする『プログレス』。
だがそれを当人が──今の自分が受け入れるかどうかは、また別の問題。
その解決策として用意した、少々特殊なプログラムが存在する。
いつ導入されるかは、ユーザー次第なんだけど……強い、その一点だけは間違いない。
閑話休題 さいこうちく
そうこうしている間に、『SEBAS』が陽珠の解析をある程度終えた。
纏められた資料に目を通し……説明を聞いてその効能を理解する。
「つまり、根本的な違いはないと」
《はい。陽石との違いは、その生成量及び速度、また、いくつかの陽石を融合させることで性能が向上、限りなく陽珠に近い物にまで強化することが可能です》
「使い方次第ってわけか……お姫様が就いているその【太陽皇】、そっちに何人就いているかが気になるな」
《会話から把握できた数は最低五人、ですが絶対というわけでも無いようです》
「……隠し子的なヤツか? まあうん、国というか世界で一番偉い人なわけだし、次が居なくなると困るのか」
《【太陽帝】の子供たちは、生まれつき【太陽皇】の職に就いているといるようです。ですが、いかに特級職に組み込まれた機構であろうと、無制限にリソースが確保できるわけではございません》
俺が就く【救星者】は個人で完結し、また足りない力を他の職業で得るはずだった経験値から賄うことで、その理不尽なスペックを発揮していた。
そして【太陽帝】はおそらく、陽珠や陽石と同様に光を糧にして力を蓄えられる。
それでも、次から次へ子供を増やせばその分だけ全体の量が減っていってしまう。
「……全体の量、か。まあ、【太陽帝】としてある程度確保しているのは当然だが、その子供たちにまで自分と同じ分だけ与えるわけではない……のか?」
《なるほど。つまり、増やした数だけ子供たちに与えられるリソース量が減ると?》
「そうなるんじゃないか? 子育てと同じだが、子供の数が増えれば増えるほど嵩む苦労は増える。一人一人に掛けられるもの……この場合はリソースか。それを減らしている、というのも無い話じゃない」
まあその辺は、イベントがもう少し進行すれば分かるだろう。
今は新たに見つけた目標に向け、陽珠をどう使うかを考えようじゃないか。